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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八九幕 「雛鳥・後編」
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姿を遠目に確認していたにもかかわらず、顔は確認せずに専用機持ちに指示を仰いでいたためにそれと気付かなかったその男。
顔を知る機会が幾度かあったにも拘らず、自己鍛錬に明け暮れてとうとうこの瞬間まで気付かなかった。自分が追い詰められて、学び舎を去る寸前までいったその時に現れた天の御使い染みたその人。美しく、儚く、そして天使のように可愛らしい救世主の、その正体。
そして、それを当人とラウラに聞かれた事。その全てがある種での痛恨。
本人がそのとっても恥ずかしいミスを犯したことに気付いた時には、既に言葉は空気を通じて周囲に拡散した後だった。
あっ、と気付いた時にはすでに遅い。
「天使が堕ちては駄目だろう。堕天使じゃないか」
「そんなに・・・そんなに、僕の顔は迫力が無いですか・・・」
「え・・・・・・い、いや!?そういうそのあれというわけじゃなくてそのあの・・・!」
こうして、伍和はこの日初めてあの日見た「天使さん」の正体を見ることとなった。この事が後にベルとも会に新たな風を吹き込む事になるのは、また別の話である。
= = =
天網恢恢
(
てんもうかいかい
)
疎にして漏らさず。約束を破ったベルーナには当然として報いが訪れる。誰の付き添いも無しに勝手にIS訓練に挑んだ挙句に落っこちたベルーナは今現在、猛烈に説教されていた。言うまでもなく相手はみんなの佐藤さんである。だが、今日の佐藤さんは完全に説教スイッチが入っていた。ここにきてベルーナは一つ自分があることを失念していたのを思い知らされる。
佐藤さんは真剣にベルーナのことを心配していた。だから、心配していたからこそ心を鬼にすることもある。そんな簡単な事を、ベルーナは失念していたのだ。
「あのね!私、前にもちゃんと言ったよね?ISを動かせるからって体が丈夫になったわけじゃないって!勝手に動き回らずに素直に言うこと聞きなさいとも言ったことがあるはずよ!それに、焦らないでってあれほど言ったでしょう!?焦ってミスしてそれで怪我したり体調を崩したら本当に何にもならない事を本当に分かってるの!?ベル君はその辺のことをまだちゃんと分かってないよね!?分かってないからみんなに黙って勝手にピットに出たんでしょう!!いい!?私はね、ベル君の頑張り屋な所は評価してるけど・・・・・・くどくどくどくど」
自室のベッドの上に無理やり正座させられたベルーナは、その慣れない体制で足がしびれてきた事と、良かれと思ってやった行為が大失敗に終わったことも重なって涙目になっている。どちらかと言えば初経験の正座の方が堪えている辺りに彼の強かさがあるのだが。
何度か反論を試みたベルーナだったが、佐藤さんは完全に聞く耳を持たずに言葉の猛攻撃でベルーナを完全に押さえつけていた。矢継ぎ早に吐
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