第百四話
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「はぁ、はぁ・・・一度に権能、使いすぎた・・・」
持ってる権能を全て発動状態にして戦うのは、さすがにきつかったようだ。戦いが終わった途端に全身を疲労感がみたしていく。
呪力消費量も半端ないな・・・と、自分で自分の体を支えられなくなって倒れそうになると、俺の体は両側から抑えられた。
「まあ、あれだけ全力で戦えば仕方ないか。お疲れ様だな、武双君」
「権能のコピーも複数回使いましたしね。もう呪力も空っぽに近いでしょうし」
顔すら上げられないから顔を確認することはできないが、アテとナーシャだろう。そのまま俺に肩を貸して、海の上を歩き始める。
ここで跳躍の術を使わないのは、二人も疲れきっているのかもしれない。だとしたら、男である俺がこんな状態、ってのはかなり情けないな・・・
「悪い、な。二人も疲れて、るのに・・・」
「いいんですよ。今回武双は、家族全員への加護を行い、海の上に立てるようにするため、全員を対象に権能を使い続けているのですから」
「むしろ、今君がするべきなのは意識を途切れさせず、二つの権能を使い続けることだ」
今ナーシャがいっている二つの権能というのは、沈まぬ太陽と舞台袖の大役者のことだろう。
沈まぬ太陽が解除されたら俺はその瞬間に死にかねないし、舞台袖の大役者は解除されたら家族全員が海の中だ。
「それにしても、今回は今までで一番大変でしたね。あそこまでの最源流の鋼、家族全員で対応してようやく倒せたんですから」
「武双君も、簒奪した権能に期待が持てるのではないか?」
「いや・・・今回は、簒奪した感覚はなか、った」
何が原因なんだろうか・・・まあでも、ここまでの戦力と協力して権能が簒奪できるのなら、護堂の権能も今頃もう一個増えてるはずだし。
簒奪できなかったものは簒奪できなかったものとして受け入れよう。
「それにしても、まさかボクが浚われたことからここまで発展するとは思ってもいなかった。正体もまた、予想外のものだったしな」
「とはいえ、神祖くらいじゃもうインパクトがな・・・」
「悪かったな!カンピオーネやまつろわぬ神に比べたら薄くなってしまっても仕方ないだろう!?」
「まあまあ、ナーシャ。少し落ち着いて」
アテが慰めてるけど、アテもまたナーシャのインパクトを薄くする要因だから逆効果な気がする。
と、そんな様子で進んでいたら、その先にみんなが見えた。
父さん、母さん、林姉、崎姉、リズ姉、マリー、立夏、切歌、調、氷柱、ビアンカ、桜、狐鳥。
全員無傷ではないし俺ほどではないにしても疲れきっている。だが、それでも。それでも、みんな無事だ。
俺はそこで、すぐ隣にまつろわぬ神であるアテがいるおかげで回復し
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