旋律の奏者と大地の杖
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ばすぐにポイッと捨ててしまえばいい、彼は人を“人”として見ず、“道具”として見ているのだ。
「まったく、まるで子供の戯言だな・・・」
ザクッ・・・
オベイロンの体が刃に貫かれたのはその言葉の後だった。オベイロンの背中から胸にかけて貫かれたのは一本の片手剣、そしてそれを貫いたのはかつて彼の掌の中で操られていた者の手によるものだった。
「シ、シルビア・・・!」
「違うな、今の私はシルビアではない、エリーシャだ!」
「グッ、貴様ァ・・・」
エリーシャの刃が刺さっている中、奥の方から更に別の声がした。
「お前はこのゲームの本質を見誤っている。このゲームのルールを理解しているはずだ」
「桐ヶ谷、和人・・・!」
「最初に言ったはずだ。このゲームの勝利条件は相手の全滅、もしくは相手の王を討ち取ることだと」
「ッ!!まさか・・・!?」
「普通ならこの戦力比を考えてまず自分側の全滅はあり得ない。なら必然的に貴方を真っ先に狙うでしょう。しかし・・・」
奥からはキリト、アスナが現れ更にエリーシャが話を進める。
「貴方はシオンによってゲーム開始前からかなり精神的に追い込まれていた。そして予想を遥かに上回るペースで自分の軍の数が減っていき、予想外のアクションが積み重なっていったことにより、自分は落ち着いているように見えて本当はまともな考えが纏まらなくなっていった。結果、子供でも分かるような戦略に貴方はまんまとハマった・・・」
「その証拠として、周りの索敵が随分とお留守だった。周りを見る余裕もないと見てとれる」
「クッ・・・!」
「もう貴方の負けです。大人しく降伏しなさい」
アスナはオベイロンに対し、降伏を要求した。
しかし───。
「ク、クククッ・・・」
「?」
「クハハハハハハッ!!!!!」
「・・・何が可笑しい?」
キリトたちは高笑いをあげるオベイロンの心意が分からなかった。ここまで追い込まれていてもなお、狂った笑みを浮かべる彼の考えが───
「降伏?何を馬鹿なことをぬかしている!!」
「何ッ?」
「降伏などあり得ない!この闘いはどちらかが死ぬまで終わらないんだよ!!」
そう言い放った瞬間、オベイロンの体からはドス黒い霧のようなものが大量に溢れだした。
「ッ!!」
エリーシャはすぐさま危機感を感じとりその場から離れた。
「何だ、アレは!?」
『キリト、聞こえるか?』
「シオン!」
『お前たちのいる辺りから妙な霧が漏れ出しているのが見える!何があった?』
「それが
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