はじまりの街と久しい友
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昼頃、俺はミザールのジャーマンスープレックスによって目覚めた。全く、首がいかれるだろ。
どうやら、はじまりの街に行くらしく、ユイの服を着せ替えていた。ま、俺は結末を見届けねばなるまいと思い、付き合うことにする。
「わあー」
ユイは顔を輝かせ、両手を広げて自分の体を見下した。うん、アスナのセンスは悪くない。
「さ、じゃあお出かけしようね」
「うん。パパ、抱っこ」
キリトがユイを抱っこする。するとユイが、
「後でにいも抱っこ」
……不味い、死ぬかも知れん。
「アスナ、ライト、ミザール、一応、すぐに武装出来る様に……」
「あ、別に良い。俺が居れば平気だ」
「え?何で?」
悪いが、プレイヤーやモンスターに対抗するプログラムはあるからな。チートだが、茅場先生関連の事はどうしてもこの目で、この手で攻略しなければならない。それが、GMアカウントと対となる、GPアカウントを持つ俺の役目だ。……二人には、言えないなこんなことを。
「別に不思議がる事は無い」
俺はそう言って歩き出した。
第1層はじまりの街に来るのは久々だった。
始めはデスゲーム宣言の時。二回目は、狩人スキルを取得する為に、ここに隠されたもう一つの迷宮を攻略する時、そして、三回目がユイの事とはな。
「ユイ、見覚えのある物あるか?」
暫く難しい顔をしていたが、やがて首を振った。
「解んない………」
「まぁ、はじまりの街は恐ろしく広いからな」
それを設計した人がここに居るんだがな。
「さて、取り合えずは中央市場にでも行くか?」
「そうだね」
と、俺達は南に向かって歩き始めた。
「ねぇ三人共」
暫く歩いていると、アスナが話しかけてきた。
「どうした、アスナ」
「ここって今プレイヤー何人位居るんだっけ?」
「二千人弱だ。だが、その割には人が少ないな」
さっきから人影を探すが何処にも無い。
「恐らくは、マーケットだな。行こう」
俺はそう言って歩き出した。
広場から大通りに入って市場エリアに来たが、木の下に座り込んだ男とNPC商人しか居なかった。
するとアスナがその男に話しかけた。
「あの、すみません」
「何だよ」
「あの……この近くで訊ね人の窓口になっているような場所、有りませんか?」
「何だ、あんたよそ者か」
「え、ええ。あの……この子の保護者を探してるんですけど……」
と、キリトの腕で微睡んでいるユイを指す。
「……迷子かよ、珍しいな。……東七区の川べりの教会に、ガキのプレイヤーがいっぱい集まって住んでるから、言ってみな」
「あ、ありがとう
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