教室と喧騒と
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一通り葛藤し、今は考えても仕方ないと無理やり結論づけて俺は部屋を出て先輩の待つリビングへと向かった
「お待たせしました」
「…もう良いのかしら?」
静まり返ったリビングのソファーに腰かけていた先輩と向き合うように俺も着席する、未だ頭は混乱しているけれど先輩は昨日の事を知っているみたいだったし色々と聞きたかった
「あの…先輩はどうして昨日の事を知っているんですか?」
「貴方が心臓を貫かれた直ぐ後に現場へ居合わせたのよ」
「直ぐ後…っていう事は、その…」
「貴方の彼女にも、その場でお会いしたわ」
意識が途切れる直前に見た光景を思い出し、口に出すのを一瞬ためらう
だってそうだろ?黒い羽根の生えた彼女の姿、それに俺を刺したのはナイフでも包丁でも無い光り輝く何かだ
世間一般的な認識としては頭がおかしいと思われても仕方ない内容ばかりだ…
「貴方は躊躇っている様子だけれど私は貴方よりも彼女の事を知っているわ」
「それってどういう…」
「論よりも証拠でしょうね…」
そう呟くと先輩は立ち上がり両腕を大きく広げた、一瞬空気が張り詰めたかのような感覚を覚え俺は思わず身を固くする
「せ、先輩…それって…!」
「黒い翼…まぁ彼女の物とは形が違うけれどね」
黒く鋭利な形をした大きな翼を生やした先輩、その姿に思わず魅入ってしまう
「ちなみに…貴方にも同じものが生えているのよ?幸生?」
「は?お、同じものってまさかそんな…って何じゃこりゃぁぁ!!?」
うぉぉ!?ま、まじで生えてるぅ!?いつの間に出てきたんだお前っ!?え、なにこれどんな仕組み!?
先輩の言う通り、俺にも先輩と同じ黒い翼が生えていた、信じられないことに黒くて鋭利な翼が俺にも生えている!思わず繰り返しちまう位に俺の中では驚愕の事実なのだ
「何故私と同じ翼が貴方にも生えているのか、キチンと説明するから話を続けても良いかしら?」
「は、はい!お願いします!」
それから先輩は色々な事を俺に教えてくれた…先ず昨日俺を刺した加恋ちゃんは人間ではなく堕天使という存在だという事、先輩は彼女達とは互いに敵視しあっている悪魔だという事、どうやら俺は本当に一度殺されて先輩の眷属(分かり易く言えば家来の様な物らしい)悪魔として新たな命を頂いたという事…等
何と言うか昨日の事が無かったら俺はこんな話信じてはいないだろう、漫画やアニメの世界の様な話に目を白黒させっぱなしだった
「あの…俺が悪魔になったっていう事、まだ実感は無いですが一先ず納得しました…それで、ですね…俺は具体的に悪魔として何をすれば良いのでしょうか?」
「そうね…眷属悪魔として
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