第三章
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ながらの言葉であった。
「あえて言うのなら」
「おいおい、まさかそれって」
「浮気ってやつかい?」
彼等はそれを聞いてからかって言葉を返す。まさか奈月と会うのだとは夢にも思っていない。真相は孝司だけが知っていることであった。
「まあそうかもね。強いて言うなら」
「強いて言うなら?」
「僕だけのアイドルかな」
格好のいい言葉になっていた。
「彼女は」
「何か羨ましいな、今の言葉は」
「ああ」
「それじゃあ。そういうことでね」
ここまで言うと鞄を手に取った。後は帰るだけであった。
「今からちょっと。行って来るから」
「ああ、それじゃあな」
「嫉妬しちまうがな」
彼等のやっかみ半分の言葉を聞きながら渋谷に向かう。彼だけのアイドルがいる場所に。まさか彼女が本当に元アイドルだとは誰も思わないが彼にとってはそれはどうでもいいことになっていた。それは何故か。言うまでもなかった。そのままの彼女が最も好きだったからだ。
一人だけのアイドル 完
2008・1・14
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