『脱走』
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
脱走でもせん限り、先輩と話す時間は絶対に与えてくれんかった筈やから。
先輩が最後に約束してくれた。
『携帯番号とメアドは絶対に変えん。』
家電も、覚えやすいように語呂合わせで教えてくれた。
14年経つ今でも、先輩は忠実に約束を守り通してくれてる。
何かとトラブルの絶えん人生になるやろうからって。
俺の携帯が変わってなかったら助かることもあるやろうしって。
まさにその通り。
変わらん番号とメアドに何回助けられたか。
さて、施設から夜逃げするような感じで出所。
昼間やったけど。
児童が居らん間に。
誰にも言わずサヨナラ。
めでたくないから見送りも無し。
今迄、僅か1年と7ヶ月。
卒業時期に何人か見送った。
時期関係無く、親が迎えに来る子を見送った。
入って来てはスグに出て行く子も見送った。
其の都度、何とも言い難い気持ちになってた。
特別仲良しではない。
むしろ嫌いな奴も。
それでも、同じ空間で生きてるだけで何らかの特別な感情は在ったんだろう。
友達から冷酷って言われる零那でも、他人の傷みは解るから...
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ