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一人だけのアイドル
第二章
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「ええ」
 これは本当にその通りだ。アイドルと言っても様々で一人だけではなくそれこそアイドルの数だけいるのだ。それは奈月もわかっていた。
「だったら」
「だったら?」
「僕はそれでいいんですよ」
「何かよくわからないんですけれど」 
 奈月は歩きながら首を傾げた。首を傾げるその姿が左手にある店のショーウィンドゥーのガラスに映っている。その首を傾げる姿が。

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