最終話 あらたなはじまりその七
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「それも大盛りね」
「大盛りなんだ」
「上城君は超盛りよね」
「うん、ここの超盛りはね」
上城はここでスペンサーと王がそれぞれ食べているカレーを見た、スペンサーは海老フライカレーで王はソーセージカレーだ、カレーでもそれぞれ違うが。
二人共皿は巨大だ、超盛り用のものだ。その超盛りの量はというと。
「四人前はあるからね」
「御飯がね」
「ハンバーグもね」
超盛りだとだ、どうなるかというと。
「三人前あるから」
「それにする?」
「そうしようかな、今の時間だと食べてもね」
そうしてもとだ、上城は言うのだった。
「稽古の時間まで時間はあるから」
「影響出ないしね」
「そう、だからね」
「ここで食べて」
そうしてというのだ。
「頑張るよ」
「そうするのね」
「そう、そうするよ」
こう樹里に言うのだった。
「ここで食べるよ」
「わかったわ、じゃあ注文しよう」
「それじゃあね」
二人でこう話してそのハンバーグカレーを食べるのだった、上城はカレーを食べる中でスペンサーと王に尋ねた。
「それでこれからですけれど」
「私達のですね」
「これからですね」
「はい、どうなるんでしょうか」
「私は暫く領事館勤務です」
神戸にあるそこにだというのだ。
「当分転勤はありません」
「そうなんですか」
「はい、ですから」
それでだというのだ。
「何処かでお会い出来ますね」
「そうですね、その時はまたお話しましょう」
「その時はまた宜しくお願いします」
「こちらこそ」
「私は店を持つよ」
王はこう答えた。
「資金が入ったからね」
「だからですね」
「そう、それでね」
戦いで得たその金でだというのだ、彼が欲しいと常に思っていた。
「お店を持って、後はこの腕で」
「暮らしていかれるんですね」
「欲しいものは手に入った、それなら」
それで終わりではなかった、そこからさらに言うのだった。
「腕をさらに磨いてね」
「そうしてですか」
「世界一の料理人を目指すよ」
確かな笑みでの言葉だった。
「これからもね」
「世界一ですか」
「料理の腕があってこその私だよ」
王は笑顔でだ、上城に求道者としての顔も見せた。
「確かにお金は好きだけれどね」
「お金だけじゃないんですね」
「うん、このことは今まで見せていなかったけれどね」
「それでもですね」
「私はこうも考えているよ」
料理人としてだ、世界一の腕を持とうとだ。
「君達も店に来てくれたらね」
「その時はですね」
「最高の料理をご馳走するよ」
「ではその時は」
「今度はお店で会おう」
料理人と客として、というのだ。
「ではね」
「それじゃあ」
「私もです」
スペンサーも笑顔で述べる。
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