第四章
[8]前話 [2]次話
医学も一新させた、工業もだった。
軽工業からはじめてだ、さらに。
重工業も発展させていった、その資源もだった。
僅かではあったが鉱業として炭鉱等から掘っていった。勿論こちらでも人を雇い多くの者の生きる糧とした。
線路を国の大動脈にしてだった。
「運河もだな」
「堤防も敷いたしな」
「それにダムだ」
「水も確保するぞ」
「水が悪くてはどうにもならない」
「彼等によい水を与えるんだ」
こうしてだった、水もだった。
運河やダムのお陰でよくなった、そして街の建物も。
これまでの藁葺きから次々にコンクリートの建物が建ち道も綺麗に整備されてだ。街に路面電車も走りはじめ。
洒落た店も出来てきた、百貨店すらも。
粋な服を着た人々がそうした店で遊ぶ様になっていた、国全体が見違える様になり。
食糧生産量は鰻登りに上がり各種産業もだった。
発展していった、平均寿命は二十も伸びて。
そして人口も二倍になった、就学率や識字率は信じられないまでに上がった。
その地域は全く別物となった、このことに陸軍の者達は喜んだ。
「努力のかいがあった」
「もうあの何もない場所ではないぞ」
「今や近代国家の一員だ」
「一流国家の一部になったのだ」
「我等の努力が実った」
「素晴らしいことではないか」
彼等は自画自賛さえしていた、何はともあれこの地域は見違える程によくなった。このこと自体は素晴らしかった。
だがやがてこの地域は歴史的経緯から独立した、すると。
この国は世界各地に進出した、その国が築いた地盤を素に。それはいいことだったが。
彼等は世界各地で様々な問題を起こした、企業が現地で碌でもないビジネスをしたり。
観光客が現地の人達に暴力を振るった、セクハラをしたという騒動を起こした。
スポーツをすれば反則にラフプレイ、審判買収、抗議と何でもありだった。進出したあちこちそして参加したイベントの全てでだった。
彼等は問題を起こした、その結果。
併合して発展させたその国にだ、世界各地から批判が来た。
「何であんな奴等を併合したんだ!」
「何故発展させた!」
「あんた達のせいだ!」
「あんた達のご先祖が馬鹿なことをしたせいで迷惑している!」
「責任取れ!」
そしてだ、具体的な実害が出された。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ