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ソードアート・オンライン 少年と贖罪の剣
第二話:血盟騎士団
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「一応、釈放おめでとう、と言っておいたほうがいいかな?」

「そんな御託はいらねえよ。オレをここに呼んだ理由はなんだ」

引っ切り無しに続いていたアスナからのメールの中に紛れ込んでいた一通のこいつ、血盟騎士団団長《ヒースクリフ》からのメールには、夜中2時に来いという旨の内容が綴られていた。そのため、ここに来たのだが。

「次の迷宮区攻略の話だ」

「…なんだ?」

奴の真鍮色の双眸が、オレをゆっくりと眺めていく。

「次の攻略の際、君とアスナ君で指揮をとりたまえ」

「な、にーー?」

ヒースクリフの言葉に目を見開く。
階層攻略の指揮を一人ではないとはいえオレが執るだと?そんなことは不可能だ。オレは黒鉄宮に一度投獄された罪人だ。罪人に自分らの命を預けるなど、攻略組の奴らが許すはずがないだろう。

「オレは罪人だが?」

「確かに、君は黒鉄宮に()()したが、そもそも君が殺したのはオレンジプレイヤーだろう。本来なら、君が投獄される必要などなかったのだ。犯罪者を斬ったところで、君に罪はーー」

言い終える前に、オレはヒースクリフの赤いローブの胸倉を掴んでいた。
許せなかった。あいつらの苦悩を知りもしない癖に、あいつらを犯罪者と蔑むこいつのことを。

「何も知らねぇお前が…あいつらを犯罪者扱いすんじゃねぇ…!」

「私は客観的事実を述べたまでだよ、レン君。彼らは敵組織と繋がっていた。彼らの流した情報のせいで我々攻略組は多大な被害を被ることになったのだ。流さなくていい血を流した、彼らを犯罪者と言わずに何と言うのだ」

「テメェーー!」

激情に任せ、拳を振るう。だが、オレの拳は犯罪防止コードに阻まれて奴に届くことはない。絶対的なシステム主義。プレイヤーであるオレに、それを破ることはできない。

「そもそもお前が…こんなゲームを作らなければ、こんなことにならずに済んだんだ…! ヒースクリフ、いや、茅場晶彦!」

茅場晶彦ーー その男の名前を、この世界に生きている人間が知らないはずはない。なにせ、このゲームを制作し、そして現在のようなデスゲームに変貌させた男なのだから。
そして、ヒースクリフというキャラクターこそが、茅場晶彦がこの世界を監視するために作った存在なのだ。
オレは過去のとある事件でそのことを知ることになるのだが、今はそんなことどうでもいい。

「ふむ、確かにそれは一理あるが…この世界において各個人の行動の責任は現実世界と同様にその人物に課せられる。結局は、現実世界でも彼らは目標のためなら仕方なしと悪に手を加担する人物だったのではないのかね?」

「…そんな、わけーー」

「言い切れはしないだろう。命の危機に瀕した際にこそ、その人物の本当の性が現れる。故に
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