第四章
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「ただな」
「欲張りってことかいな」
「あかんか」
「一度にそんなにお願いしたらビリケンさんも困るわ」
「そやから残りはかいな」
「住吉さんかどっかにお願いしてきいや」
「そうしろっていうんやな」
ヌッチも少女のその言葉に返した。
「つまりは」
「そうしたらええやろ」
「住吉さんなあ」
「同じ大阪市やさかいな」
「ほな地下鉄で行こか」
「勝手にしたらええわ。それにしてもあんた」
ここでだ、少女はヌッチの顔を見てだ、今度はこう言ってきた。
「八条学園高等部の二年D組のヌッチ君ちゃうんかい」
「?わいのこと知ってるんかいな」
「そういうあんたの方こそうちのこと知らんか?」
「?自分誰やったかな」
「八条学園高等部大阪校の二年のや」
ヌッチと同じ学校の同じ学年だった。
「松村円や」
「松村さんかいな」
「G組のや、知らんのかいな」
「?言われてみればその顔は」
言われて思い出した、ヌッチの方も。
「見たことあったわ」
「そやろ、やっと思い出したんかいな」
「うちのクラス生徒多いさかいな」
「神戸の本校と一緒で全世界から生徒集まってくるしな」
「そやそや、それでな」
その少女円もヌッチに応えて言う。
「あんた今日ここにおるのは」
「串カツ食いに来たんや」
飾らずにだ、ヌッチは円に答えた。
「そのついでに通天閣に登ってな」
「ビリケンさんにお願いしたんかいな」
「そや、そう言う自分は何でここにおんねん」
「うちはデートや」
円はヌッチにまずはこう答えた。
「それでや」
「デートかいな」
「そや、可愛い子とな」
「相手何処におるねん」
「あそこにおるわ」
こう言って通天閣の窓の方を指差した、するとそこには。
窓から見える景色を楽しんでいる男の子が観光客に混ざってそこにいた、ヌッチはその男の子を見てから円にこう言った。
「また小さな彼氏やな」
「ええ男やろ」
「けど自分それ犯罪やろ」
「小さな子とデートしてるさかいか」
「幾ら何でも年下過ぎるやろ」
「弟やなかったらアウトやったな」
円は自分から真相を述べた。
「ほんまあかんかったな」
「まあそれはな」
円自身もヌッチに言う。
「幾ら美形でもな」
「美形なあ、そんだけ美形やったらな」
「ジャニーズに入れるか特撮ヒーローにしろっちゅうんやな」
「吉本に入れるべきやな」
ヌッチはこう円に返した。
「やっぱりな」
「アホ、何でそこで吉本やねん」
「何言うてるんや、やっぱり吉本やろ」
「吉本言うやらお笑いやろが」
「お笑いの方がええやろ」
「うちの弟はアイドルにするんや」
あくまでこう言う円だった。
「それか声優や」
「声優かいな」
「そや、最近男の声優さんも人気
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