第四章
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「二人でね」
「課長さんがそう仰るのなら」
「そうよね」
二人はマキイネンを信頼していた、いつも的確なアドバイスと指導をしてくれる頼りになる上司と思っている。それは仕事だけでなくプライベートのことでもだ。
だから二人共彼女のアドバイスに従うことにした、しかしここで二人共彼女の考えはここからくるものと思っていた。
「暖房ですね」
「暖房を効かすんですね」
部屋のそれをと言うのだった、まずは。
「それで熱いものを食べて」
「甘いものでカロリーを摂って」
フィンランドは甘いものをよく食べる、それでカロリーを摂取してそのカロリーで極寒を凌いでいるのである。
そしてだ、さらにだった。
「サウナですね」
「それで温まった」
「そういうことはね」
マキイネンは文明を出す二人にくすりと笑って返した。
「住めばわかるわ」
「その時にですか」
「わかるんですか」
「二人でね」
「そうですか、二人で住めば」
「わかるんですね」
「そうよ、わかった時にまた言うのね」
自分にとだ、マキイネンはこう言って二人の背を押して結婚させた。
二人は実際に結婚した、そしてだった。
新居に入った、早速家具や電化製品、特に暖房器具を入れた。そうして二人の生活をはじめたのだが。
早速だ、ナキヤはサキルに対して言った。
「ねえ、今からね」
「うん、今から?」
「晩御飯作りましょう」
「二人でだね」
「だってこれから一緒に住むから」
夫婦でだ、だからだというのだ。
「貴方もお料理好きよね」
「作ることも食べることもね」
サキルはにこりと笑ってナキヤに答えた。
「どちらもね」
「そうよね、だからね」
「これからなんだ」
「ええ、晩御飯作りましょう」
「それじゃあ」
「思いきり熱くてね」
そして、と言うナキヤだった。
「温まるもの作りましょう」
「そうだね、寒いし」
「ええ、今からね」
こう話してだった、二人は引越しを済ませてから晩御飯を作った。そうしてテーブルで向かい合って座ってだった。
出来上がった夕食を食べる、サキルはそれを食べてからナキヤに笑顔で言った。
「うん、熱くてね」
「美味しいわよね」
「とてもね」
そうだと言うのだ。
「いい感じだよ」
「そうよね、何かこうして二人で作ると」
「余計に美味しいよね」
「一人で作るよりもね」
さらに、というのだ。
「美味しいね」
「それに暑く感じるわ」
こうも言ったナキヤだった。
「今は」
「あっ、そういえばね」
「普段よりそうでしょ」
「何でかわからないけれどね」
「普通にお料理作った筈なのに」
「二人でね」
「それだけなのに」
それでもと話す二人だった。
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