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アイシャドー
第一章
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 どうもその辺りは誰も確かな感触を抱けていないのであった。
「うちの彼氏ってそういうの鈍感だから」
「ねえ」
 結局はそういうことなのだった。
「うちのも。何ていうかね」
「何しても可愛いっていうだけじゃない?」
「そうそう」
 男にはわかりにくいことだというのである。だがそれは考えてみれば仕方のないことであった。男は化粧にはまず縁がないものだからだ。
「こっちは細かいところまで苦労してるのにね」
「全然わかってくれないのよね」
「本当に全くね」
「あんたんとこもでしょ?」
 そして一人がメンバーの中でとりわけ小さく黒い髪をおかっぱにしている女の子に対して言うのだった。目は垂れ目で肌は白い。見れば彼女も細かいところまで化粧をしている。ファンデーションに睫毛を整えルージュも赤く奇麗なものをしてちゃんとしていた。その彼女に声をかけたのである。
「あんたのところの浜崎君も。そうでしょ?」
「そうなのよね」
 実際に彼女も難しい顔をするのだった。
「友樹君って鈍感だから」
「顔はいいのにね」
「性格も面倒見がよくてね。親切なのにね」
 それでもわからないものはわからないのだ。やはり女の子と男の子はかなり違いが出てしまうものなのだ。特に外見に関するものではだ。

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