第二章
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「長い間誰も暮らしていないお家もね」
「じゃあどうしたらいいかな」
「私もわからないわ」
「けれど結婚はね」
「それはしましょう」
ナキヤはサキルのプロポーズについては前向きだった。
「是非共」
「それはいいんだね」
「私達一緒になって結構経つし」
「もうそろそろだね」
「結婚してね」
そうして、というのだ。
「幸せを作っていきましょう」
「けれどだね」
「お家がね、問題よ」
「それじゃあこうしようか」
真剣に考える顔でだ、サキルはナキヤにこう言った。
「ナキヤのアパートにね」
「二人で住むの」
「そうしようかな」
「同居ね」
「そもそも僕は君のアパートに結構行ってるし」
そして泊まってもいる、二人はもうそういう関係なのだ。
「だからね」
「狭いわよ」
ナキヤはサキルのその提案に真剣な顔でこう返した、彼と同じ顔だが言葉は彼のものに対するものであった。
「二人でずっといるとなると」
「一時ならともかく」
「そうよ」
実はナキヤは今の部屋に入った時に部屋が暖かくなるには時間がかかることを知ったのだ、それで寒い思いをしたからサキルにも言うのだ。
「ずっとだとね」
「狭いんだね」
「ええ、それも嫌でしょ」
「言われてみればね」
「広いお家の方がくつろげるから」
「じゃあやっぱり」
「結婚して同居するならね」
それならばとだ、あくまで言うナキヤだった。
「新居に限るわ」
「じゃあ夏に結婚して」
ナキヤの言葉を受けてだ、サキルは今度はこう言った。
「暖かいうちに新居に入ってね」
「そうしてなのね」
「暖かいうちに家を暖かくさせて」
「それで冬もなの」
「お家は暖かくなるよね」
「そうなるわね、確かに」
「うん、これでどうかな」
こうナキヤに提案するのだった。
「夏にね」
「そうね、それがいいかも知れないわね」
「そうだよね、じゃあお互いの親や上司にも話して」
「私達結婚しましょう」
「うん、そうしよう」
こう話してだった。何はともあれ二人は結婚することは絶対としていた。そのうえで夏に新居に入ろうということで話を進めた。
しかし二人の上司であるマキイネン課長がだ、二人のその結婚してから夏に新居に入るという考えにだ、笑ってこう返したのだった。尚マキイネン課長は女性である。茶色の髪をショートにした栗色の目の中年の女性だ。ダークレッドのスーツがよく似合っている。
「二人共何言ってるのよ」
「えっ、何って」
「ですから結婚して」
「その話だと今すぐ結婚しないのよね」
二人がマキイネンに言ったのは十一月のことである、彼女は言われてすぐに二人にこう言ったのだ。
「そうよね」
「はい、五月に結婚して」
「それから」
「思い立ったが吉日
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