第二章
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「その方が可能性が高いだろ」
「そうかね、あれも」
「まあ実際その目で見てないけれどな」
「シー=サーペントは恐竜か」
「そうなんだろうな、他にも海には色々いるけれどな」
「確かに多いな」
クリッグトンもウィンザーの言葉に応えて言う。
「クラーケンなりシー=サーペントなりの他にもな」
「海馬にしてもな」
「海馬はシー=サーペントじゃないのか?」
同僚の一人がこう二人に言ってきた、自分が持っているそのカードの状況をsの目でチェックしながらだ。
「一緒だろ」
「一緒か?」
「また違うだろ」
二人はその同僚の言葉を否定した。
「シー=サーペントはシー=サーペントでな」
「海馬は海馬だろ」
「じゃああれか」
ここでまた言う同僚だった。
「シー=サーペントは恐竜でか」
「俺はそう思うぜ」
シー=サーペント恐竜説を唱えるウィンザーが答えた。
「あれは恐竜だろ」
「じゃあ海馬は恐竜じゃないのか」
「あれはでかいアザラシじゃないのか?」
ウィンザーはこう同期に答えた。
「それだろ」
「いや、あっちが恐竜なのかも知れないぜ」
クリッグトンは海馬は恐竜ではないかと主張した、それも結構真面目な顔で。
「海馬の方がな」
「あっちがかよ」
「そうじゃないのか?まあ海は広いからな」
その広さ故にとだ、クリッグトンはこうも言った。
「何がいても不思議じゃないからな」
「それはそうだな」
「だからな」
それでだというのだ。
「恐竜がいても不思議じゃないだろ」
「まだこの目で見ていないけれどな」
こうした話をしてだ、水兵達はアガメムノンの居住区で今はのどかにカード遊びに興じていた。軍務の合間の一時だった。
アガメムノンは地中海を航海していた、ジブラルタルからオスマン=トルコの首都イスタンブールに親善で向かっていた。そして。
クリッグトンとウィンザー達は甲板に出て大砲を磨いていた、彼等は大砲を丹念に拭きながらこの時も雑談に興じていた。
「港に着いたら飲むか」
「ああ、一杯やろうな」
「向こうの酒楽しもうぜ」
「イスタンブールの酒な」
「おいおい、あそこはサラセンだろ」
同僚の一人が大砲の端のところを拭きながら一同に言ってきた。
「だからな」
「酒はないか」
「そう言うんだな」
「ああ、そうじゃないのか?」
オスマン=トルコはイスラム教の国だ。イスラムでは酒は飲まない。それでこの同僚はこう言ったのである。
しかしだ、クリッグトンはこうその同僚に答えた。
「いや、あそこはムスリム以外の人間も大勢いるからな」
「だからか」
「ああ、キリスト教もいるしな」
もっと言えばユダヤ教徒即ちユダヤ人もだ。オスマン=トルコは宗教的にかなり寛容な国家であったのだ。
「
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