第二章
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「十一時だな」
「そうですね」
「全部の時計がおかしいのか」
「そんなことはないですよね」
「携帯の方は」
二人共咄嗟に携帯の方もチェックした、すると。
マクドネルの方は十時五十分、オーフェルの方は十時五十五分だった。全ての時計の時間が違っていた。
それでだ、マクドネルは驚愕している顔でオーフェルに言った。
「どういうことなんだ」
「あまりにもおかしいですよね」
「全ての時計の時間が違っているなんてな」
「有り得ないですよね」
「携帯のデジタルでさえもな」
「普通携帯の時間が違うなんて」
「有り得ない」
まず、と言うマクドネルだった。
「こんなことはな」
「そうですよね」
「何がどうなっているんだ」
「列車、来ましたよ」
そうした話をしているとだ、その列車が来た。そうして列車を到着させた車掌が言うにはだった。
「時間通りだね」
「!?君はのかい?」
「うん、そうだけれど」
「十時五十八分到着か」
「ほら、見てくれよ」
車掌は列車の運転席からマクドネル、そして彼と共にいるオーフェルに対して自分の腕時計を見せた。彼は右手に時計をしていたので見せるのは楽だった。
「十時五十八分だろ」
「確かに」
「時間通りだな、けれど」
ここでだ、車掌は駅のホームの時計を見て二人に言った。
「どうしたんだい、駅の時計は」
「いや、それは」
「十時五十分で止まってるよ」
「!?いや、さっきは」
十一時だった、それがだった。
実際に見てみると十時五十分になっていた、それでマクドネルも言うのだ。
「十一時だったのに」
「?そういえば俺の時計も今は」
車掌は自分の腕時計の時間が視界に入った、今の時間は。
「おかしいな、十一時五分になってるぞ」
「僕の時計は十一時です」
オーフェルが自分の時計を見て言って来た。
「急に時間が動いてますよ」
「私の時計は今は十一時三分だ」
マクドネルは自分の腕時計を見たがその時間だった。
「全ての時計が狂っていのか」
「そんなことは有り得ないだろう、とにかく」
「ああ、そうだ」
「もう出発しないといけないだろう」
車掌も全ての時計の時間がおかしいことに驚きを隠せなかったがそれでもだった。列車は先に進まないとならない。
それでマクドネル達にだ、こう言ったのである。
「行くな」
「うん、それではね」
「出発お願いします」
こうしてだった、列車は出た。しかしそれからもだった。
時計の時間は見る度に違っていた、十一時十分かと思えば目を離してすぐに見ると十一時四分になっている。マクドネルの時計もオーフェルの時計も。
誰の時計もだった、それで駅長のマウ=リ=カナワ五十代のマオリ人である体格のいい白髪の彼も言うのだった。
「
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