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ケット=シー 
第三章
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「安心して下さいね」
「それはいいことだな」
「はい、フリーですから」
「俺が告白しても問題ないな」
「そうです、ですからここは私があそこに行きまして」
 そしてだというのだ。
「パン屋さんの辺りを歩き回って」
「それでか」
「そうです、ベスさんのことを調べますので」
「それで俺がベスの好みをつけばか」
「絶対にあの人と交際できますよ」
「よし、わかった」
 ここまで聞いてだ、ポールは納得した顔で頷いて答えた。
「それならな」
「では私がパン屋さんまで偵察に行っていいですね」
「ああ、頼む」
 是非にとだ、こう返したポールだった。
「それじゃあな」
「そういうことで」
 チャーリーは舞踏会でダンスの誘いのそれの様に気取った動作で礼をして主に応えた、そしてだった。
 何日かパン屋の周りを歩いてだ、主にこう報告した。
「好きなものは兎のぬいぐるみですね」
「それか」
「はい、それを集めることがお好きですね」
「それが趣味か」
「あとピンク色のハンカチも」
 好きだというのだ。
「好きな食べものはキャンディーとマシュマロです」
「お菓子か」
「好きな場所は公園です」
 チャーリーはポールにこのことも話した。
「そこの散歩もお好きですね」
「そうか、あそこか」
「そうです、日課になっています」
「あの公園子供がいつもいるけれど」
「どうも子供好きですね」
「ふうん、成程ねえ」
 ポールはチャーリーの話を聞いて納得して頷いた。
「あの娘子供好きなんだ」
「そうなんですよ、実は」
「僕も子供は嫌いじゃないよ」
 これは本当のことだ、実は彼は保育園の先生になりたいとさえ考えているのだ。それでこう言えたのである。
「都合がいいね」
「ですね。後」
「後?」
「あのお店今アルバイト募集中ですよ」
 ここでだ、チャーリーの声が小さくなった。何か芝居がかった感じで。
「わかりますよね、このこと」
「そこに入れっていうんだね」
「しかもです」
 さらに言うチャーリーだった、芝居がかった小声で。
「あそこのお家女の子だけですよね」
「そうそう、ご両親がおられてね」
 ポールもチャーリーのその言葉に頷いて答えた。
「ベスと妹さんだけだよ」
「つまりそれは」
「お店に男手が欲しい」
「さらにです」
 チャーリーはにやりと笑ってきた、猫の顔で。
「男手、即ち」
「おいおい、かなり凄いお話になってないかい?」
「何を仰います、もうご主人様のお歳ですと昔は結婚してますよ」
「じゃあそういうことも考えて」
「そうです、ご主人今すぐにあのお店に行って」
「アルバイトを志願しろっていうんだね」
「左様です、人間はパンを食べないと生きていけません」
 このことも強く言うチ
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