家族の団らん?
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頷いた。
「ママ!」
アスナはユイを抱いたまま涙を流し始める。何か、現実の親と違うなと見ていると、
「らうとは……にい!」
……にい?にいってあれか?お兄さんの事?同年代の親はいらん。ユイだけで十分。
「みざるはねぇ!」
ミザールに関してはお姉さんと来たか……。あれ?ちょっとミザールさん泣いてない!?それほどまで嬉しいか!?
……何だろうこのカオス。順応仕切れない俺が悪いのか?
悪くない、悪くない。俺は悪くない。そう、自分に言い聞かせた。
ホットミルクを飲み、小さな丸パン一つ食べると、ユイは再び寝た。
「わたし……わたし……」
アスナが口を開く。
「ごめんね、わたし、どうしていいか判んないよ」
「……この子が記憶を取り戻すまで、ずっとここで面倒見たいとか思ってるんだろ?気持ちは……解るよ。俺もそうしたい。でもな……ジレンマだよな……。そうしたら当分攻略に戻れないし、その分この子が解放されるのも遅れる……」
「うん……それは……そうだね」
「取り合えず出来る事をしよう」
「……」
俺はその話を聞きながら、左手でウインドウを開く。写し出されているのは、この世界に存在する筈だった<メンタルヘルス・カウンセリングプログラム>の項目だった。
(やはり、か……。茅場先生、一体、貴方は何がしたいんだ………?)
俺はそのまま右手でウインドウを開き、何事もなかったかのように操作する。
「まず、はじまりの街にこの子の親とかが居ないか探しに行くんだ。これだけ目立つプレイヤーなら、少なくとも知ってる人間は居ると思うし」
「……」
「……?どうしたの?」
「な、何でも無いよ!!」
「どうせ、本当の子供みたいにユイの事を思ってるんだろ」
すると、アスナが顔を赤くした。
「一つ、言っておくが……あまり深入りはしない方が良い」
「……?どうして?」
「……事実を知って、別れが辛くなるだけだ」
俺はウインドウを閉じ、そのままソファーに寝っ転がり、眠り始めた。
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