最高の寝覚めから最悪の寝覚め
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…!って俺裸!?な、なんで!?ま、まて!裸ということはまさか下半身も…あ、こっちは大丈夫だった完全防備でした
「跡までは消えなかったわね…」
「跡?」
跡ってなんだ?そう思い先輩の手を追うように視線を自分の左胸に移せばそこには左胸部分を覆うかのような大きな傷跡があった
「これ…なんで…?」
「覚えていない?昨晩貴方の身に起こった事を」
昨晩…?昨日は確か加恋ちゃんとデートして夜景を見て…それで…加恋ちゃんに渡したいものがあるとか誘われて…
「あ、あれ…?」
違う、あれは悪い夢だ
「幸生?」
何かの間違いだ
「心をしっかり保って聞いてほしいのだけれど」
あんなことがある筈がないじゃないか
「昨日の夜、貴方は公園で」
加恋ちゃんだぞ?あの優しくて笑顔が可愛い加恋ちゃんだぞ?
「麻野加恋と名乗る少女に」
そんな彼女が俺を
「殺されたのよ、ここを貫かれて」
殺すはずがないじゃないか
「違います」
「残念ながら真実よ」
「証拠がありませんよ」
「この傷跡が何よりの証拠ではなくて?」
否定すれば否定するほどに記憶が鮮明なって甦ってくる、何かの間違いであってくれと思いつつ自分の頭の中を洗えば洗うほどに真実は明確になる
『ごめんね!遅くなっちゃって…』
『見て見て!幸生君!イルカさん!かわいいー!』
『凄く美味しい…!こんな美味しいお料理初めて…!』
あんなに楽しそうにしてくれた加恋ちゃんが…
『綺麗だね…今日は楽しかった…』
夜景を見て瞳を輝かせていた、彼女が
『うん…私も、大好きだよ…』
愛を囁いた相手が、
『これ』
俺を殺した?
「信じたくないのは当たり前でしょうけど」
あの日の記憶と同じ部分には存在を主張する大きな傷跡がある、生まれてこの方大きな怪我などしたこともないし、見慣れたものでも無いソレは確かに存在している
「先輩」
「何かしら?」
昨日の記憶が、確かに物語っている信じたくはないけど信じるしかない…殺された云々は置くにしても彼女に左胸を刺されたのは間違いない
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