伝説の4人の勇者
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で行ったのだろう。まさかこの時間帯に独りで街の外へ出て行くほど無謀な事はしていないと思いたい所だが────
………ん? 何だ、微かに笑い声のような────近所の家から? いや、違う………
聴き覚えのある────それを辿って街の北西側の開けた場所まで来ると、
そこでは月明かりの元、原っぱに胡座をかいていたルーネスを始め、あの4人の老人達が楽し気に談笑していた。
あれ以来、笑顔一つ見せなかったルーネスが………
「うっはっはっは! マジかよそれ……?! ははっ、ひぃ〜! 腹いてぇ……!」
笑っている、馬鹿みたいに。その方がやはり、あいつらしい。
「……おお、何じゃ! お前さんもわしらの冒険譚を聞きに来おったか!」
4人の老人の1人が、少し距離を置いて居た私に気付いて声を掛けてくる。
「へ……? イングズじゃん! どうしたんだっ?」
彼らに近寄って行くと、ルーネスは笑顔のまま目をゴシゴシ拭っていた。どうやら、涙が出るほど笑わされていたらしい。
「聞いてくれよイングズ!4じいさんの話、めっちゃ面白いんだぜ!? トンベリってモンスターに夜な夜な包丁で追っかけ回されたり、サボテンダーって奴に針千本喰らって痛い目みたり、モルボルってモンスターからは臭い息吹っ掛けられて、全員カエルになって同時に暗闇、毒、沈黙、混乱、眠り状態になったりしたそうだぜ……!! うははっ、一体どうやって生還したんだっつうの!?」
「そ、そうか。面白い話が聴けて、良かったな……??」
話の内容に付いてゆけず、私は少々面食らう。
「は〜〜……何かスッキリしたし、元気出たっ」
ルーネスはそう云って、すくっと立ち上がる。
その表情は、淡い月明かりの元でも晴れやかに見えた。
「おれ、明日からまたガンバレそうな気がする! いっぱい笑かしてくれてサンキューな、4じいさんっ!
おれ先に宿屋戻るけど、イングズも聞いてったらどうだ、4じいさんの武勇伝!……じゃなっ!」
ルーネスは、軽い足取りで駆けて行った。
「 ────感謝する、あいつを………ルーネスを元気付けてくれて」
「ハっハっ、わしらは何もしとりゃせんよ」
「何があったかは知らんが……勇者は常に健康でなくてはならん。よく食べよく寝てよく笑う────これを守っていれば、心身共に健康でいられるはずじゃ」
「そして真の勇者には、真の仲間がいるはずじゃ。仲間を想う気持ちが大事なのじゃ。……仲間を大切にするんじゃぞ」
「勿論だ。……が、私には貴殿らのように、仲間を笑顔にする事は難しい」
気の利いた冗談や愛嬌を振りまくのは、得意ではないのは確かだ。
「何もわしらのように
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