伝説の4人の勇者
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馬鹿か……! 自分の方に向かって来る物から目を逸らすなッ
────私は咄嗟に後ろから襟首を掴み、そのままルーネスを後方へ引き倒す。
次の瞬間、目の前で小爆発が起こり、私は噎せ返って気付いた時には目をやられたらしく、何も見えなくなっていた。
「「「「お前さん、大丈夫か?!」」」」
ん……? 今の声はあの老人達……!? 街に戻っていなかったのか。
「イングズ、もしかして暗闇状態? これ、目薬使いなよ!」
アルクゥがすぐ回復アイテムを渡してくれるが………治らない。自分で白魔法の<ブライナ>を唱えてみるも………駄目だ、効果が無い??
「アタシが調合して作った不審者撃退用の攻撃アイテムさね、そう簡単に状態異常は治らんよ!」
嘲笑するかのような老婆の声が、下水道に木霊する。
「デリラばぁさんは相変わらずじゃのう?……仕方ない! わしらが歴戦の中で手に入れた[エリクサー]を使うといいぞ!!」
む、これは……! 身体中に活力がみなぎる。目薬や白魔法では治らなかった私の目も、すぐ見えるようになった。
4人のご老人には、感謝しなければ。
「助かった、礼を云おう」
「何の何の!……ところでデリラばぁさんや、この連中は本物の勇者じゃぞ? 浮遊草の靴を分けてやってくれんか」
「 ────しょうがないねぇ、本物はそこの箱に何足も入ってるから、必要な分持ってお行き!」
デリラ老婆から浮遊草の靴の使用許可は出たが………ルーネスは尻餅をついたまま、青ざめた表情で固まっている。
「ちょ、あんたどうしたの……?!」
レフィアが心配して、ルーネスの顔色を窺う。
「 ─────ェリア」
「 え? 何……… 」
「 ………! 何でも、ないっての」
ルーネスは弾かれたように立ち上がり、我々から顔を背ける。
「さっきイングズに庇われて、フラッシュバックしたのかも」
アルクゥが、近くで私にだけ聴こえるように呟く。
「さあて、戻ろうかの? 若いの、わしらに捕まりなされ。わしらが<テレポ>を使おう!」
4人の老人達の呼び掛けで、入手した浮遊草の靴と共に我々は下水道を後にする。
────外はもう、日が暮れていた。
ゴールドルの館へは翌日向かう事にし、4人の老人達と別れて我々はアムルの宿屋へ。
………ルーネスは早々に夕食を済ませ、言葉少なに独り部屋へ籠る。
「おかわりもしなかったね、いつもなら何杯もするのに……」
「まぁ、落ち込み過ぎて何も手に付かないよりマシじゃないの?」
「でも、戦闘にも支障出てるみたいだし、このままじゃ──── 」
「ならアルク
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