第03話 任務:電、深海棲艦駆逐イ級を育てよ!
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って口をつぐんだ。
「雷お姉ちゃん!? なんでここに? どうしてなのです?」
イキュを飼うことに反対していた雷が電を味方してくれて、電は不思議そうに雷を見つめる。
「今はそんなことどーでもいいだろ! んなことよりイキュを探すぞ! イキュが誰かに見つかったらシャレにならない」
電はウンと頷いてイキュを探す。
「コンテナ置き場にはいなそうだな。もしかするとドッグの方に行ったのかもしれない」
雷はドッグに向かって走り出す。
電は雷を追いかけるように雷のあとをついていく。
「雷お姉ちゃん、ありがとうなのです」
「はぁ? 何か言ったか?」
「本当は聞こえているくせに。雷お姉ちゃん、ありがとうなのです」
もうすぐドッグに着くというところで、ドッグから騒がしい声が聞こえた。
「敵だわ! 深海棲艦がいるわ!」
「敵のスパイか? 絶対に逃がすな!」
遅かった……そう思った雷と電は息を切らせながらドッグに入る。
“イキューン”
イキュが艦娘達に取り囲まれている。
イキュは必死に逃げようとするが、完全に囲まれてしまって逃げ場がない。
「五十鈴にまかせて」
五十鈴は20.3センチ連装砲をイキュに向ける。
「ダメなのですぅッ!」
電は体当たりして五十鈴を突き飛ばした。
「いったぁい! お尻を打っちゃったじゃない! 何するのよ、もう!」
電は素早くイキュを抱きかかえ、その場から逃げだす。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! どこ連れていくのよ!」
艦娘たちが一斉に電を追いかける。
いくら足の速い駆逐艦とはいえ、イキュを抱いたままでは逃げきれない。
「おっと、ごめんなぁ」
雷は機械油の入ったドラム缶を蹴り倒した。
艦娘達は地面にまかれた油に足をとられ、つるんつるんと転んでじたばたする。
立つこともままならない艦娘達は、くんづほぐれつの大参事である。
その場から動けないでいる艦娘達を確認し、雷は電を追いかける。
「おーい! 電ッ!」
ドッグの外に出ると、電はイキュを抱きながら海の前で立ち尽くしていた。
「う、うぉおッ! ま、マジかよ!」
雷は驚きの声を上げる。
電の目の前には巨体の深海棲艦、駆逐ニ級が横たわっている。
雷はとっさに12.7センチ連装砲をに駆逐ニ級向ける。
「雷お姉ちゃん、違うのですッ!」
電に呼び止められ、雷は動きを止める。
「あなたは……イキュちゃんのお母さんなのですね?」
“ニキューン”
駆逐ニ級は電に答えるように、低い鳴き声を上げる。
“イキューン! イキューン! イキューン!”
電に抱かれていたイ
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