第02話 任務:はじめての大型艦建造!
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祭りも終わり、自室に戻ってきた雷と電はベッドの上に転がっている。
そしてまったりと窓から入る日の光でひなたぼっこをしている。
「あー食べた食べた。間宮ねーちゃんのご馳走は至高のメニューだなぁ」
「きっと間宮ねーちゃんにはグルメ細胞が備わっているのです」
うふうふと幸せそうにゴロゴロしている雷と電。
そんなふたりの目に、挙動不審に辺りをきょろきょろと見渡しているまるゆの姿が映った。
「あれ? あの子……確か、まるゆちゃんなのです」
「あー、あの超期待の期待外れッ娘なー」
「そういう言い方、ひどいのです」
電は開けっ放しにしていた扉からひょこっと顔を出し、廊下をうろうろしているまるゆに声を掛ける。
「どうしたのです?」
「あ、艦娘の方ですね。あのー、ひとつお伺いしたいのですが」
テテテッとまるゆは電に近寄った。
「はい? なんでしょうです?」
「あのぉ……まるゆは何をしたらいいのでしょう?」
電は目を点にして不思議そうにまるゆを見つめる。
「……あれ? 提督から何も聞いていないのです?」
まるゆは目に涙を浮かべながらもじもじと身を揺すって話す。
「それが、隊長さんは真っ白けになっていて、死んだ魚の目をした動く死体みたいになってて、何も教えてくれなくて……それどころか会話すら出来ない状態というか……」
「あー、あいつまだ放心状態から脱却できないでいるんだなぁ。しゃーない、ついてきなぁ」
雷は頭の後ろで腕を組みながら、とてとてと部屋を出ていく。
「え? あ? ええッ?」
状況が把握できないでいるまるゆは、まごまごしたまま固まってしまう。
「私が庁舎内を案内したやるよ、と雷お姉ちゃんが申しているのです」
「余計なこと言うな電。さっさとついてきなぁ」
「はいなのですッ!」
電はまるゆの手を引いて、テテテッと雷の後を追う。
まるゆは電に引っ張られながら、テテテッと早足になってついていく。
「あ、あのッ!」
まるゆに声を掛けられて、雷と電が振り向く。
「よ、よろしくお願いしますッ!」
雷と電はにっこりと笑んで、まるゆの背中を叩く。
「きゃぅッ」
バァンという音と共に、まるゆは目をまん丸にする。
「おう! よろしくな! 白スク娘ッ!」
「こちらこそよろしくなのですッ!」
まるで新しい妹ができたかのように、雷と電はまるゆの手を引いて駆け出した。
まるゆは嬉しそうに笑みながら、新しくできたふたりの姉に引っ張られていく。
(任務達成)
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