第02話 任務:はじめての大型艦建造!
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ここは某国、某県、某市、某港にある、とある鎮守府。
この物語は艦娘と深海棲艦との凄まじいまでの激戦の記録……ではない。
戦闘さえなければ、艦娘達も普通のお年頃な女の子。
今日も提督と艦娘達によるほのぼのとした一日が始まる。
ぽかぽか陽気な昼下がり。
なんだかドッグの方が騒がしい。
雷と電は廊下の窓からドッグを見つめている。
「みなさん集まっているのですぅ」
「今日って何かあんのかぁ?」
雷と電の背後から不敵かつ不気味なテンションの笑い声が聞こえてくる。
「クックックッ、ふははははははぁ! よくぞ聞いてくれたぁ!」
雷は振り向きもせずに、ドッグの方を向いたままツッコミを入れる。
「別に提督には聞いてないけど」
「んぐぅぉッ」
提督は一瞬涙目になるが、すぐに気を取り直して勝手に話を続ける。
「よく聞けぃ、雷に電よ! 実は今日、はじめての大型艦建造をまわしたのだぁ! こんなセレブリティなこと、金も資材も乏しい我が母港ではむしろ暴挙! 奇行! しかしそれをあえてやったのだよ!」
興奮度マックスでテンションが上がりまくっている提督に、雷と電は乾いた笑みを返す。
「へ、へぇ〜、そうなんだ」
「そうなんだ! そしてそろそろ建造が完了する! 他のみんなはドッグに集結しているぞ! お前達も来い! 急ぎドッグに集合だぁ!」
提督は雷と電をひょいと抱え上げ、ぴょんこぴょんこ飛び跳ねながらドッグに向かって走り出した。
「提督、とっても嬉しいそうなのですぅ」
提督に抱えられている電は雷に話しかける。
「そうだな。うっとおしい勢いで喜んでるな。でも、現実はどうかなぁ」
雷はハァと溜息をついた。
そうこうしているうちに、提督と雷と電はドッグに到着した。
提督は雷と電を降ろすと、その場でへたりこんでしまう。
「はぁ、はぁ、はぁ、つ、疲れた……」
へたりこんでいる提督に気がついた陸奥は、提督の前で膝に手をついて腰を屈める。
「大丈夫かしら、提督? 日頃の運動不足がたたってるんじゃない?」
「いやいや、これでも海軍兵学校では運動能力トップクラスだったんだ。それに日頃のトレーニングだって欠かしてないぞ。でもな……」
提督は雷と電を指さして涙を流す。
「あいつらが搭載している武器が尋常じゃなく重たいんだよ……金属の塊だもの、あれ……」
陸奥はハイハイと呆れ顔になりながら、提督の首根っこを掴んで無理やりに立たせる。
「それより提督も手伝ってよ。もう時間がないんだから」
よくよく周りを見てみると、艦娘達は歓迎の用意に大忙しで、せわしなく走り回っている。
陸奥は提督の首根っこを掴んだまま
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