第01話 任務:艦隊名を受け入れよ!
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く探し、それでも見つからなくて再度庁舎中をくまなく探し、それでも見つからなくて再々度庁舎中をくまなく探した提督。
もう3周も庁舎中を探した。
それでも電は見つからない。
ここまで見つからないのははじめてだ。
どうやら電はかなりの勢いでご立腹のようだ。
「もう……いいかな……」
まるでフルマラソンを走った直後のように疲労している提督は、天に祈りながら提督の机の下を覗き込んだ。
するとそこには膝を抱えながら泣き疲れて眠ってしまった電がいた。
「……んぁ、提督なのですぅ?」
電が目を覚ました。
提督は電の頭を優しく撫でて、にっこりと柔らかい笑みを浮かべる。
「電、くちくズって名前にしたのはな、せっかく可愛いらしい女の子なお前たちを、第六なにがしなんていう殺伐とした堅苦しい名前で呼びたくなかったからなんだ。愛嬌があって親しみやすい名前で呼びたかったんだよ」
「可愛らしい女の子……なのですぅ?」
「そうだ、お前たち艦娘は強大な力や特別な能力を持ってはいるが、でも普通の女の子じゃないか。確かに軍属の身ではあるが、俺の元にいるみんなには、なるべく普通の女の子と同じ生活をしてもらいたんだ」
「提督ぅッ」
電はにぱぁと、嬉しそうに笑った。
「ま、提督がそんなこと思わなくたって、みんな勝手に女の子な生活しちゃってるけどな」
いつの間に現れたのやら、提督の背後には雷がいた。
提督は振り向いて苦笑いを返す。
「でもまぁ、その気持ちは嬉しいよ。みんなに代わって褒めといてやる」
雷は提督の頭をいい子いい子してやる。
提督はいい子いい子されながら複雑な笑みを浮かべている。
そしていい子いい子されるまま、提督は電の方に顔を向ける。
「くちくズってさ、星クズみたいでカワイイだろ? ファンシーで、メルヘンで、プリテぇーだ」
「くちくズ……星クズ……ファンシーで、メルヘンで、プリテぇーなのですぅ!」
電は机の下から飛び出して、提督に抱きついた。
提督は電に抱きつかれながら、気恥ずかしそうに頬を掻いている。
「とはいえ、星クズって星のゴミだけどなぁ」
ピシィッと、場の空気が粉砕する音が聞こえた。
「や……やっぱりゴミなんですぅ! うわぁーん!」
電は提督を突き飛ばし、またも司令官室から駆け出した。
「クズでゴミな電は、やっぱり解体されて資材になるのですぅ! うわぁーん!」
電はドップラー効果を効かせながら物凄い速さで逃走し、姿を消してしまった。
そして突き飛ばされた提督は、司令官室の壁にめりこんでいた。
さすがは艦娘、駆逐艦と言えどもその力たるやホッキョクグマにも勝るほどである。
「……な、なぁ、
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