第01話 任務:艦隊名を受け入れよ!
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かって声をかける。
「雷、電、お前たちが所属する第六駆逐隊についてなんだけどな。第六駆逐隊って艦隊名は正直堅苦しくてイカンと思う。そこでだ、今日から艦隊名をくちくズに変更してもらう」
「くちくズ? ずいぶんと可愛いらしい名前にしたもんだな」
雷はフーンと鼻を鳴らす。
対して電はガタガタと震えながら、涙目になって提督を見つめている。
「くちくズ……クズ!? クズってゴミってことですぅ?! うわぁーん!」
「ちょ、おいおい、クズとかゴミとか思ってないって」
「解体です? 解体されちゃうです? クズでゴミな電は、どーせ解体されて資材になるのですぅ! うわぁーん!」
――――――
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――
ということなのである。
そんなこんなで、完全にスネてしまった電を捜索するはめになった提督。
「くそぉ、やっぱり見つからない……全然見つからん……」
たったひとりで、様々な箇所を懸命になって探す提督。
さて、提督はなぜひとりで捜索しているのか?
これには理由がある。
実はこのリアルかくれんぼ、過去に何回か行われているのだが、いくつかの特徴があるのだ。
特徴その1:どんなに人員を動員しても絶対に見つからない。
何十人といる艦娘達全員で探しても、絶対に見つからないのである。
特徴その2:最終的に見つけるのは、いつも提督。
数時間かけて捜索した結果、やっとこ電が発見される。
このとき、電は決まって司令官室にある提督の机の下で発見されるのである。
そして電を発見するのはいつも提督なのである。
提督以外の者が電を発見したことは今まで一度たりともない。
もしかすると、電は提督に見つけて欲しい? のかもしれない。
特徴その3:手抜きをすると絶対に見つからない。
結果的に提督の机の下で発見されるのであれば、ある程度の時間が過ぎた時点で提督の机を探せばよいのである。
なんてタカをくくって捜索しないでいると、どんなに時間が経過しても提督の机の下に電は現れないのである。
どうやら電は、提督が探している姿をどこからか見ている? のかもしれない。
そしてこれらの特徴を踏まえると、リアルかくれんぼ攻略のための法則が浮かび上がってくる。
リアルかくれんぼ攻略の法則:提督がひとりで一生懸命に電を探して、もう限界と思えるほどに捜索したところで提督の机の下を確認すれば、電は見つかる。
この法則によって、艦娘達は電の捜索を手伝ってはくれず、提督はひとりズタボロになるまで庁舎中を探し回らねばならないのである。
――――――
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――
空が赤く染まり、日が沈みかけてきたころ。
庁舎中をくまな
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