第01話 任務:艦隊名を受け入れよ!
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ここは某国、某県、某市、某港にある、とある鎮守府。
この物語は艦娘と深海棲艦との凄まじいまでの激戦の記録……ではない。
戦闘さえなければ、艦娘達も普通のお年頃な女の子。
今日も提督と艦娘達によるほのぼのとした一日が始まる。
ぽかぽか陽気な昼下がり。
素敵なランチのあとにお昼寝でもしたくなるような、のんびりとした心地のよい雰囲気が流れている。
そんなステキ雰囲気をぶち壊す、悲痛でソウルフルな叫び声が司令官室から鳴り響く。
「くちくズ……クズ!? クズってゴミってことですぅ?! うわぁーん!」
「ちょ、おいおい、クズとかゴミとか思ってないって」
あまりのショックで激しく泣きだしてしまった電。
そんな泣きじゃくっている電を必死になだめる提督。
そしてふたりのやりとりをナマ暖かい目で見守る雷。
「解体です? 解体されちゃうです? クズでゴミな電は、どーせ解体されて資材になるのですぅ! うわぁーん!」
そして電は泣きながら司令官室から飛び出して行ってしまう。
「ちょ、ちょっと待てって、電ッ! ぅおーい!」
慌てて電を追いかける提督であったが、廊下に出ると既に電の姿は無くなっていた。
「あーあ、これはアレだな、間違いなく」
雷は頭の後ろで手を組みながら、やれやれな顔をしてつぶやいた。
「やっぱり……アレか? ……アレなのか?」
提督はげっそりした顔をして、悲しげに雷を見つめる。
「残念ながら発動しちゃったな。電のリアルかくれんぼが」
提督はその場にくずおれ、四つん這いになってうちひしがれる。
「あああああ……発動しちゃったのか、リアルかくれんぼ……ぬぐわああああああ……」
リアルかくれんぼとは何か?
それは逃走する電を庁舎中探しまわらねばならない、一種のサバイバルな本気かくれんぼである。
たかがかくれんぼと思うことなかれ、電の持つステルス能力は異常ともいえるほどに高機能で、はっきり言って見つけられない。
庁舎中をどんなにくまなく探しまわっても、どんなに人員を動員しようとも、全くもって電を捉えることはできない。
「そんじゃ頑張ってね、提督ぅ」
雷は頭の後ろで手を組んだまま、すたすたと司令官室を出て行ってしまった。
提督は四つん這いの恰好のまま、茫然としてうなだれている。
「……ぐぅおおおぉぉぉん……ぬぅぐああぅぅあああうあぁ……」
さて、なぜこのような事態に陥ってしまったのか?
ことの起こりは数分前、司令官室に呼び出された雷と電。
「お呼びなのです? 提督」
「どーしたんだよ、提督」
雷と電はのほほんとした雰囲気を醸し出しながら、窓の前に立って外を眺めている提督に向
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