空白期 第8話 「チョコは騒動の種?」
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な話しになるのだ!?」
「こうでもしなければディアーチェは恥ずかしがって渡しそうにありませんので」
「かえって余計に恥ずかしいわ! ……はっ!?」
ふと我に返ったディアーチェは俺のほうへと顔を向けてきた。羞恥心が急激に高まったのか、顔の赤みが増すだけでなく泣きそうにさえなっている。
「ショ、ショウ、そのだな……!」
「ショウ、こっちが本来渡すはずだったチョコですのでそれは返してください……食べますかレヴィ?」
「うん! あぁそういえば……はいショウ、これボクから」
ディアーチェの姿をしたチョコを躊躇なしに食べるレヴィに渡されたものは市販されていそうなチョコだった。
おそらくだがレヴィはバレンタインの意味を理解していない。シュテルにとりあえず渡せ、渡せばあとでお返しがもらえるとでも言われたのだろう。
「ショウさん、私からも……」
「あ、あぁ……ありがとう」
「その……美味しくできているか分からないので不味かったら捨ててください」
などと言われてしまっては、はいそうですかといった返しができるわけもなく、俺はユーリからもらった箱の包装を外して今すぐに食べることにした。
形は不恰好だが、それだけに慣れないながらも一生懸命作ってくれたのだろうと思う。ひとつ手にとって口に運ぶとユーリが声を漏らしたが、俺は口の中を綺麗にしてから返事をすることにした。
「……美味しいよ」
「本当ですか?」
「ああ」
「よ、よかったです」
安堵の笑顔を浮かべるユーリを見た俺の中にも安心や喜びの混じった感情が芽生える。それと同時に高町達からもらったチョコもあるため、今日明日で食べ終えられるか不安も覚えた。
「さあ、あとはディアーチェだけです」
「王さまだけだぞ」
「だけです♪」
「う……」
3人に言い寄られるディアーチェには同情に加えて申し訳なさを感じた。
俺がもっとはやての家で今日という時間を潰していたのなら彼女がこのような目に遭うこともなかったかもしれない。泊まるつもりで来ている場合は意味がないが。
「……えぇい、渡せばいいのだろう!」
チョコと思われる箱を取り出したディアーチェは真っ直ぐこちらに向かってくる。流れからして、どのように考えても彼女は自棄を起こしているだろう。
「ディアーチェ……別に無理をする必要はないと思うけど」
「べ、別に無理はしておらん。そもそも渡さない限りこやつらは大人しくならんだろう」
「それは……まあそうだろうけど」
ここで否定できるほど俺はシュテル達との付き合いは浅くない。顔を合わせた回数だけで言えばはやてには遠く及ばないのだが、会っている間の時間が濃いのだ。
ディアーチェに半ば押し付けられるようにチョコを渡された俺は、彼女を労
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