空白期 第8話 「チョコは騒動の種?」
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さい」
人前で何を言っているのだろう、と思ったがシュテルの言葉が指しているものがコートだとすぐに気が付く。
「いいよ自分でやるから」
「どうせハンガーを取りに行くのですからついでです。それにショウはこれからディアーチェ達に何か出すのでしょう?」
「それは……」
「私に任せたほうが効率的です」
と言って俺からコートを半ば強引に奪うと、シュテルはリビングから出て行ってしまった。
ついでだからとか効率が良いからとか言ってたけど、多分もう少し他人の好意に甘えろって言いたかったんだろうな。俺からすればお前も甘えろよって感じだったりするけど……お互いにそんな風に思ってるから似ているって人に言われるのかな。
はやて達からもらったチョコを冷蔵庫にしまい、全員分のココアを作ろうとしているとディアーチェが俺の元に来た。
「どうかした?」
「言わんでも分かっていそうだがな」
おそらくディアーチェは運ぶのを手伝いにきてくれたのだろう。言葉遣いだけだと勘違いをされてしまいそうな彼女だが、実際は家庭的かつ面倒見の良い優しい子だ。
「まあ何となく……でも君は」
「我が自らすると言っているのだ。余計な気を遣う必要はない……何を笑っておる?」
「ただ優しいなって思っただけだよ」
優しいと言われて恥ずかしかったのか、ディアーチェは顔を赤らめて強めの声で返事をしてきた。素直じゃない、という部分も言っていたならば、若干怒気を含んだものになっていたことだろう。まあどちらにせよ彼女の反応は似たようなものだっただろうが。
「まったく……貴様まで我のことをからかうのか」
「別にからかってるつもりはないよ」
「それはそれで性質が悪いわ。先ほどの言葉をシュテルやユーリにでも聞かれてみよ。また前のように何かと言われそうではないか」
「それは……でもユーリはともかく、シュテルの場合はディアーチェが過敏に反応しなければすぐにやめるだろ」
「貴様のように淡々とできるならば日頃から苦労はしておらんわ」
会話をしている間に手を止めることはなかったのでココアを作り終えた。ディアーチェと共にリビングへと戻ると、シュテルも戻ってきていた。俺達の姿を見た彼女の顔は、実に何か言いたそうに見える。
「シュテル、何か言いたげな顔をしておるな」
「言ってもいいのですか?」
「言う必要があることならばな」
「では……相変わらず仲が良いですね」
「なっ!?」
シュテルの発言にディアーチェは赤面しながら動揺した。必然的に彼女の手に持たれていたカップが振動し中身が揺れ動く。
シュテルの言動からこのような展開になるだろうと思って先にカップをテーブルにおいていた俺は、ディアーチェの身体に制止をかける。多少は手に掛かるかもしれないと思
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