空白期 第8話 「チョコは騒動の種?」
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せもなく漫才のような会話ができるのはある意味凄いことなのではないだろうか。ふたりのやりとりをはたから見ている分には正直に言って面白い。ディアーチェには悪いとは思うが。
「レヴィ落ち着いてください。ディアーチェはあなたのことを嫌ってはいません」
「ほんと?」
「はい……ただディアーチェはレヴィが羨ましかったんですよ。ディアーチェはレヴィのように好きな相手に抱きついたりできませんから」
「そっか」
「違うわ!」
と、ディアーチェは怒りを顕わにして接近していくが、シュテルの顔色は全くといっていいほど変わらない。どんなことを言われても勝てる自信があるのだろう。
「何が違うのですか?」
「貴様の言っていること全てだ!」
「え……ディアーチェはレヴィのことが嫌いだったのですか?」
「は? ……ええい、我が言いたいのはそこではない!」
まだ会話は終わっていないが、俺には勝敗が見えた気がした。
……日に日にシュテルの性格が悪くなっているように思えるのは俺の気のせいだろうか。出会った頃は真面目で大人しい子だったような気もするのだが……やはりレーネさんからの影響があるのか。もしそうならば、ふたりの距離を離すべきなのかもしれない。
「ショウさん、お久しぶりです」
「え……あぁ久しぶり」
「どうかされましたか?」
「いや……何でもないよ」
このタイミングで挨拶をしてくるなんてマイペースというか天然だな、と思いはしたものの口には出さなかった。ユーリはシュテル達との付き合いが長いため、単純に慣れてしまっている可能性があるからだ。
「みんな相変わらず元気みたいだね」
「はい。でも今日は格段元気な気がします。きっと私を含めてショウさんに会えるのが楽しみだったんですね」
太陽のような笑顔でそんなことを言うユーリに俺は沈黙させられた。彼女はあまりにもストレートに物事を表現するため、こちらの方が恥ずかしくなってしまう。子供の俺が言うのはどうかと思うが、子供の素直さというものは時として恐ろしい。
ユーリと会話していると周囲が大人しくなってきた。いつまでも寒空の下で会話するのもメリットがないため、俺は家の中に入ろうと提案する。その提案を拒む者はもちろんおらず、スムーズに会話の場所はリビングに移った。
暖房を入れてから全員の防寒具を預かろうと思ったのだが、すでにシュテルが行っていた。
こういうことができるのに何で人のことをからかうんだろう。というか、立場的に俺がやるべきことだと思うんだけど……。まあ自分から進んでやったことだからいいか、とも思ってしまうあたり、俺はシュテルを他の子とは違う目で見てしまっているんだろうな。
「どうかしましたか?」
「いや別に……」
「そうですか……ショウも早く脱いでくだ
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