空白期 第8話 「チョコは騒動の種?」
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見ている。甘いものが無理だと言われることはないだろう。
「この際……全員お菓子にしようかな」
はやてとバニングスだけ手作りで他は買ったものというのは不公平……というか、付き合いが最長と最短の人物に手作りというところからして疑問を抱かれるだろう。だが全員に手作りならばそんな疑問は抱かれないはず。
全員に手の込んだものを作るのは時間がかかるが、お菓子は週に何度も作っている。それに猶予もあと1ヵ月ほどあるのだから問題ないだろう。
……ふと思ったが、あまり手の込んだものを作るのも気を遣わせるのではないだろうか。
さすがに芸術作品と思えるようなものを作るつもりはない。いや、俺程度の腕前ではそこまで呼ばれるものはどう足掻いても作れないだろう。
それにホワイトデーはお返しする日であってお祝いというわけではない。クリスマスケーキのようにデコレーションが多いのはやりすぎな気がする。
そんなことを考えている間も足は止まらなかったため、気が付けば遠目に自宅が見えてきていた。
「……ん?」
はっきりとは見えないものの、向かい側から子供達が4人歩いてきているのが見えた。背格好からしてどことなく見覚えのある子供達だ。
歩くにつれてお互いの距離は縮まっていき、自宅の前に来たときには顔がはっきり見えるほど接近したのだった。
「やっぱり……」
「やっぱりショウだった!」
と、俺の言葉を遮ったのは長髪の少女――レヴィだ。一瞬誰か分からなかったのは、今日の彼女が普段と違って髪を下ろしていたからだ。
レヴィは元気溢れる笑顔を浮かべながら足早に近づいてくると、抱きつきながら背中に回って自分の頬を俺に密着させてきた。
「おいレヴィ……」
「あはは、ショウはボクよりも冷えてるね」
だからどうしたというのだろうか。そもそも何で顔を引っ付けて確認したのだろう。
そのような疑問は湧いたものの、レヴィはこれといって意味もなくスキンシップを取ってくる性格をしている。そんな彼女相手にぐだぐだと考えていても仕方がない。
「こらレヴィ、やめんか」
「何で?」
「……まったく貴様という奴は。よいか、誰もが貴様のような性格をしているのではない。我も同じように抱きつかれるが、正直に言ってうっとうしい」
はっきりと放たれた一刀両断の言葉にレヴィはダメージを受けたようで、すぐさま俺から離れてディアーチェの元に駆け寄った。
自分の身を犠牲にして俺を助けてくれるなんてディアーチェは何て良い奴なのだろう……本当は落胆させて大人しくさせたかった気もするけど。
「王さま、王さま! 王さまはボクのこと嫌いなの!」
「別に嫌いとは言っておらん」
「シュテるん、王様が……!」
「人の話を聞かんか!」
何の打ち合わ
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