第五章
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第五章
「そう、よかった」
「見つかったのね」
皆そのメールを見てまずは微笑んだ。
「それで何処なのかしら」
「場所は一体」
それを確かめるとだった。市立病院だという。昇もそこにいるというのだ。
「えっ、昇君のいる病院に行けたの」
「それはまた凄いわね」
皆メールでそれを知って思わず言ってしまった。
「何はともあれ行けたなんて」
「奇跡じゃない」
しかもだった。奇跡はそれだけではなかったのだ。メールには昇についてのことまで書かれていた。その彼がどうなったかというと。
「そう、無事だったの」
「腕を少しすりむいただけだったの」
皆それをメールで知ってまた微笑むことになった。彼の無事を知って安堵してそれによる微笑みである。
「よかった」
「本当にどうなるかと思ったわ」
「そう。それで手当ても受けて」
「午後から学校なのね」
まさに奇跡と言うべき展開であった。何しろトラックにはねられたのである。それでその程度で済んだということはそうとしか言いようがなかった。
「何もかもがよかったわ」
「とにかく。市立病院ね」
皆このことをあらためて確認したのだった。
「じゃあ。行くわよ」
「全く。兎も何やってるのよ」
「突拍子もないのにも程があるわ」
呆れた顔で言う皆だった。
「いきなり学校を飛び出て何処にいるのかさえわからないのに探しに行くなんて」
「幾ら心配でもよ」
「それでも」
ここでまた別の言葉が出るのだった。その言葉は。
「兎もああしたところあるのね」
「ああしたところって?」
「突拍子もないっていうか取り乱したっていうか」
その娘が言うのはこのことだった。市立病院に向かいながら周りにいるクラスメイト達に対して話すのであった。
「いつも明るくてしっかりとしてるって思っていたのに」
「まあだからこそ驚いたんだけれどね」
「私も」
周りの皆もその言葉に頷くのだった。
「まさかねえ」
「あの兎が」
「大丈夫かしら」
彼女が今度出した言葉はこれであった。
「兎、取り乱していないかしら」
「大丈夫じゃないの?」
「ねえ」
殆どのメンバーはこのことにこれといって思ってはいなかった。漠然とした感じだがそれでもはっきりとそれについては思っているのだった。
「昇君も無事だったし」
「別にね。そういうところないじゃない」
「だといいけれどね」
しかしその彼女の言葉は心配するものであり続けていた。
「まあとにかく病院に行ってね」
「そうね」
「二人を迎えに行きましょう」
こう話して病院に皆で集まった。するとそこにいた兎は。
左手に包帯を巻いている昇の隣に立っていた。そうして目を真っ赤にさせて今も泣きじゃくっているのだった。
「よかった、本
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