第7章:過去から未来への歴史
第10話:勝利の美酒……
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い物でも食ったのか? 妙に素直じゃんか……」
「黙れ馬鹿。俺はキサマと違って常識人なのだ! 自分に非があると認められれば、その事に対し謝罪するのに躊躇する事は無い。キサマこそ、我らを2時間も待たせた事に対し、謝罪の言葉があっても良いのでは無いのか?」
「あぁ……うん。メンゴね」
デスピサロさんのトゲ付く言葉に心の籠もらない謝罪をするリュカさん。
軽すぎる態度に言葉も出ませんよ。
「兎も角……これで世界にも平和「まあまあ堅い話はもういいでしょ! そんな事よりさぁ……おいトルネコ、あれ寄こせ」
厳粛な空気をぶち壊す様にマスタードラゴン様の台詞を遮り、リュカさんはトルネコさんから何かを受け取り、玉座の方へ歩いて行く。
「これ、僕がトルネコに買わせておいて安ワイン」
リュカさんはマスタードラゴン様に近付くと、トルネコさんから受け取ったワインを掲げ、説明と共にマスタードラゴン様の顔へ押し付ける。
「止めろ!」
顔を逸らしてリュカさんの手を見詰めるマスタードラゴン様は……
「何だ……私にくれるのか?」
と、手を伸ばしワインを掴もうとした。
しかしリュカさんは、
「ふざけんな馬鹿。なんで何もしてないお前に、僕がワインをプレゼントせにゃならんのだ!?」
と言って、伸ばされたマスタードラゴン様の手を叩き払う。
「では何だと言うのだ!? 嫌がらせの様にワインを顔に押し付けて……」
「解らんのか馬鹿者。このワインを大事に保管しておけって事だよ! 僕等の下に説教されに出頭するその時まで、適切な環境でワインを保管しておけって事だよ!!」
何だ『説教されに出頭』って!?
「な、何だと!?」
「僕は酒の味なんてよく解らないんだ。でも“ワインは長い年月寝かせると良い”って言われてるだろ。だからこの時代に安ワインを購入しておいて、未来でどれ程の物になってるのか検証するんだ。だから未来でも会えるお前にこれを託し、時という金では買えない付加価値を付けた、超贅沢なワインを味わおうとしてるんだ……そういう訳だから勝手に飲むんじゃねーぞ。飲んだら殺すぞ!」
そこまで言い終えると、マスタードラゴン様にワインを渡して元の位置まで場所まで戻ってくるリュカさん。
俺の後ろではトルネコさんが小声で「何だ……みんなで祝杯を挙げる為に買ったんじゃないのか」と、残念そうに呟いてます。
まぁそんなもんでしょう。
シンSIDE END
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