第一幕その八
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「そういえば一人暮らしをしたことなかったね」
「サラさんがいてくれてね」
「それで僕達やトミーもいてだから」
「家事なんてしたことないし」
「のんびりしているし」
学生時代は動きの遅さでも知られていました。とかく世間のことや運動のことにはからっきしな先生です。
「僕達がいないと」
「本当に心配だから」
「今回の旅行もね」
「僕達がいつも一緒にいるから」
「任せてね」
こう言ってです、むしろ動物達の方が先生の保護者みたいな感じでした。そうしたお話をしてです。次の日の朝でした。
先生は朝早くトミーに起こされました。そうして朝御飯にです。
白い御飯とメザシ、納豆に海苔にです。
お漬物と茸のお味噌汁を食べつつです、作ってくれたトミーに言うのでした。
「いい朝御飯だね」
「先生最近ずっと和食ですよね」
「うん、朝はね」
「ですから」
それでだとです、トミーはちゃぶ台の向こう側から先生にお話しました。二人共もうちゃぶ台のところに座ってお箸を手にしています。
「今日もです」
「朝早かったのにかい?」
「夜のうちに用意しておいたので」
「だからなんだ」
「はい、御飯も炊いておいたので」
「それで朝早くから」
「そうです、すぐに朝御飯出せたんです」
こう先生にお話するのでした。
「それじゃあこれを食べて」
「それからだね」
「もう松山に行く準備は出来ていますよね」
「皆が全部してくれたよ」
一緒に行ってくれる動物達がです、全部してくれたのです。
「そちらもね」
「それじゃあ後は」
「食べて歯を磨いて顔を洗ったらね」
そうすればというのです。
「すぐに港に行くよ」
「車出しますね」
「トミー車乗れたんだ」
「乗れる様になったんです」
このことも笑顔でお話したトミーでした。
「免許も持ってますよ」
「日本でもだね」
「そうです、乗れます」
「それではだね」
「お顔も洗ったら」
そうすればというのです。
「車出しますから」
「それに乗ってだね」
「はい、港まで」
「悪いね、起こしてもらっただけじゃなくて車まで出してもらって」
「いいですよ、先生と皆ですから」
「僕達だからなんだ」
「遠慮はいらないです、家族ですから」
一緒に住んでいるだけでなくです、先生達はもうそうなっているのです。その中にはトミーもいるのです。
「それじゃあ僕も食べますから」
「朝をだね」
「三食しっかり食べないと」
「そう、よくないんだよ」
「そうですよね、食べることからですね」
「イギリスにいた時は食べることだけだったね」
先生は白い御飯の上にお醤油とお葱、からしを入れて混ぜた納豆をかけながらトミーにこうしたことも言いました。
「食べて栄養を摂取出来ればいい
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