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クリスマスの攻防
クリスマスの攻防
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「まあ言わなくてもいいけれど」
 クラスメート達はここで一旦引いた。だが自分の机に座る智子を立って囲んだままであった。
「まあ大体はね。わかるような」
「ちょっと、そんなんじゃないわよ」
 否定しようとしたが肯定してしまった。これは智子の失策であった。
「あら、そうなの」
「そ、そうよ」
 しまった、と思ったが今更否定したところでどうにもなるものではない。
「そんなのじゃないからね、本当に」
 墓穴であった。さらに言ってしまった。こうなってはもうどうしようもない。
「はいはい」
 クラスメイト達はあえてにこやかな顔でその必死の弁明を聞き流す。もう勝敗は明らかであった。
「それで聞きたいのだけれど」
「何?」
「クリスマスは何処へ行くの?」
「まだわからないわよ」
 こうなっては観念するしかなかった。憮然とした顔で答える。
「そっちは弘樹君が考えてくれるらしいけれど」
「そうなんだ」
「とにかくこっちは服を選ぶので忙しいのよ。何を着ようかなって」
「ゴスロリとかどう?」
 クラスメイトの一人がこう提案してきた。
「小林ってラフな格好が多いから。たまにはね」
「ちょっとそれは」
 だが智子はそれには乗り気ではなかった。
「何か。ケバケバしいし」
「あの派手さがいいんだけれどね」
「私の趣味じゃないし弘樹君の趣味でもないと思うわ」
「じゃあゴスロリはなしか」
「ピンクハウスも駄目ね」
「あんな乙女チックなのはどうも」
 これにも乗り気ではなかった。
「何か。恥ずかしい」
「贅沢ねえ」
「じゃあ何がいいのよ」
「それがわからないから困ってるのよ」
 憮然とした顔のままこう言う。
「どんなのがいいかなって」
「まあ悩んでみたら?」
 この中の一人がここでこう言った。
「それで何か出るならね」
「ううん」
「それにそのまま二人でホテルに行くことになるかも知れないし」
「ちょ、ちょっとそれは」
 今度は顔が真っ赤になった。
「それはないわよ、絶対に」
「あら、わからないわよ」
 クラスメイト達は意地悪そうに言う。
「クリスマスだしね」
「平畑君も男だし」
「それはまあそうだけれど」
 けれどそれだけはないと思った。正確に言うと思いたかった。
「それでもまだ」
「何、じゃあまだ何もないの?」
「キスもまだなの?」
「悪い?」
 何とか逃げたかったがそれはできなかった。口を尖らせて居直ることしかできなかった。
「だってまだ早いし」
「私中学の時に済ませたわよ、今の彼氏と」
「私も去年。私は別れちゃったけれどね」
「それでもよ」
 それ
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