第5章 契約
第94話 闇にひそむもの
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に世界が滅びたとしても一切変わる事のない落ち着いた表情ですべてを受け入れて仕舞うのではないかと思わせる状態で立ち尽くす少女へと話を振る。
但し、当然のようにタバサは無反応。そもそも魔が少々騒いだぐらいで、それにイチイチ心を動かされていたのでは仙人になど成れる訳は有りません。
その部分に関しては、俺は未だ青すぎるのですから。
「忍さん。シャルロット姫がどうやって貴方を異世界より召喚して見せたかご存知ですか?」
タバサが俺を召喚出来た理由?
それは多分……。
「おそらく、前世からの因縁と言うヤツなんやろうな。このハルケギニア世界の使い魔召喚魔法の基本。少なくとも偶然、俺を召喚出来たとは思えない」
……と言うか、それ以外には答えようがない答えを返す俺。
確かに、転生前のタバサと俺。彼の世と呼ばれる世界でそう言う約束。次の人生でも共に在ると言う約束を交わして居たとしても、転生の際に前世の記憶はリセットされ、余程の事が無い限り、前世の記憶など持って居る訳はないので――。
もっとも、タバサは俺の想像よりも前世の記憶と言う物を思い出している可能性も有るので、それ以外にも理由が有る可能性もゼロではないのですが。
しかし、
「その程度では、偶然に召喚出来るのと大差有りませんよ」
柔らかい、更に東洋的笑みを讃えたまま。しかし、かなり厳しい内容を口にするヴィルヘルム。
確かに、偶然よりはマシ……と言う程度の召喚確率でしょうが、流石にそれ以外の方法。例えば俺の真名を使った召喚をタバサが出来る訳はないので……。
「シャルロット姫。貴女は最初から彼を召喚しようとしましたね」
俺を最初から召喚しようとした?
ヴィルヘルムの言葉は、本来ならば一笑に付すべき内容。そもそも、前世の俺と彼女が何らかの関わりが有って、死後。転生前の彼の世と言う世界で、ふたりの間に何らかの約束事が有ったトコロで……。
「貴女と彼の絆の証を使用して」
――先ほど俺が言った程度の確率でしか召喚する事は出来ないだろう。そう思考を纏めようとした俺に対して、その考えを根底から覆す言葉を続けるヴィルヘルム。
そして、その方法。俺とタバサの絆の証。ふたりの前世がどう言う人生を歩んだのか判りませんが、例えば夫婦ならばその時の結婚指輪などを使用すれば、かなりの確率で俺を召喚する事は可能でしょう。
そうして……。
現在、彼女の身を飾って居る装身具の数々はすべて俺が渡した物。それも、すべてが魔術的に意味を持つアイテム。ただ、彼女を飾りたてるだけの代物では有りません。
そして、前世の俺が何をしていた存在かは判りません。しかし、ルイズの姉のカトレアの前世で、彼女を死の淵に追いやって居た霊障を白娘子の魂魄との融
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