16話 赤髪白服
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(・・・欲しい)
自分の欲望に流されるのを我慢し、それを再び目の前に戻す。
さて、放課後に遊ぶ時に贈られて邪魔にならない程度のものがいい。
(花じゃない方が・・・)
ブンブンと顔を振ってその思いを吹き飛ばす。
花じゃないといけないのだ。
普通のアクセとかではなく、花。
俺が彼女に好意を抱いてることを示すために必要なのだ。
このままいけば、俺は誰ともそういった関係なることなく終わりそうな気がしてならないのだ。
岳羽さん、今はゆかりと呼んでいる彼女とも友達にはなったが、なんだか進みそうな気がしない。
遥が協力してくれると言っていたから、もうすこし発展しやすくはなるだろうが、何故か彼女達とは壁を感じる。
「これは・・・」
『ガラスの一輪挿し 5000円』
(高ぇ・・・)
俺は花束なんか持ちづらいものよりはいいと思い、それを買う。
「結構悩んでたみたいだな俺」
携帯を見ると、時刻は4時過ぎになっていた。
長谷川さんも門限があるため、今日は本当にただ会って話すだけ。
わざわざ待ち合わせなんてしてるのは、ただの気分の問題だ。
高校生なんてそういうもんだおろう。
まぁ、俺や彼女は精神年齢的には高校生ではないのだが。
俺は、それでも後1時間ほどどうしようか最初の予定通り駅前にある適当な店で時間を潰そうか、なんて考えていると、ふと気づいた。
(あれ・・・は・・・)
なんでこんなところに、と一瞬思ってから、ゲームでもここらへんにいたな、なんて思った。
俺の目線の先にいたのは、全身白色のゴスロリ服を着た、赤髪の女性だった。
(チドリ・・・か)
原作ではいつごろから出ていただろうか。
髭が実は男らしい、ってことだけを証明するためにいる引き立て役にしては美人の女キャラ。
男主人公の攻略対象でないがゆえに今まで気にしたこともなかった。
それにしても、こんな時期からここらへんい出現してたのか。
なんて、まるでレアモンスターを見るような目で俺は彼女を見ていた。
「・・・何?」
「え?」
ガン見しすぎた。
というか目の前まで、俺近づいてた無意識に。
頭に刺さっているアクセが、本当に頭貫通してるんじゃないかと思ってガン見しすぎた。
「・・・何?」
「あ・・・頭」
「?」
「それ、刺さってるの?」
「・・・」
(無視ですか!?)
「あー、ゴメン言いづらいことならいいんだ別に」
何故だか彼女に興味が沸いた。
頭に虫が沸いた、ような行動をしてるなと自分では思う。
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