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妖精の義兄妹のありきたりな日常
ナイトバロン
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マグノリア
帰りの汽車はウェンディにトロイアをかけてもらったタクヤとナツは乗り物酔いをせずに帰ってこれた。
「ずいぶんと遅くなってしまったが今日はこれで解散としよう。」
「よっしゃァー!!!帰ってねるぞー!!!」
「あいさー!!!」

ダダダダダダダ

ナツたちは一目散に自分の家に帰っていった。
「じゃあオレも帰るかな。」
グレイも自分の家に帰っていった。
「私はルーシィを家まで送ってから帰るがウェンディはどうする?」
「えっと、じゃあ…、」
ウェンディがエルザに返事をしようとしたその時、
「ウェンディはタクヤに送ってもらうから平気よ。」
「え?」
「いいですよね?タクヤ。」
「あぁ、別にいいぞ。」
ウェンディをさしおいてどんどん話が進んでいく。
「そうか。では、また明日な。」
「ばいばーい。」
エルザとルーシィも自分たちの家へと帰っていった。残ったのはタクヤとウェンディ、シャルル、エマだけとなった。
「じゃあ、オレたちも帰るか。」
「私たち、すごい眠いから先に帰ってるわね。」
「えっ!?」
「また明日ー。」
シャルルとエマはそう言い残してすごい速さで空へと飛んでいった。
「オレらも帰るか。」
「うん。」
タクヤとウェンディも歩き出した。









「…。」
「…。」
タクヤとウェンディはしばらく歩いているが一言も言葉を交わさない。
辺りは街灯だけが寂しく灯っているだけで民家の電気はほとんど消えていた。そのせいかいつもの夜道より暗く感じる。
(「気、気まずい…。やっぱさっきの怒ってんだろーなー…。」)
タクヤはウェンディを横目でチラリと見てどうしたものかと困っている。
「…お兄ちゃん。」
「え、な、なんだ?」
「この服…どう?」
ウェンディは着ている服の感想をタクヤに求めた。マッドの屋敷で着替えた際にお礼にと貰った洋服だ。
白のワンピースに背中に大きな純白のリボンが飾られ、シンプルだが清潔感溢れた洋服となっていた。
だが、夜道を歩いているタクヤにはその洋服も辺りが暗いせいで充分に見る事ができない。
(「暗くて見えないとか言ったらまた空気が重たくなるし…。」)
少し考えて、
「うん!似合ってるぞ!!綺麗だ!!!」
タクヤは空気を変えるためウェンディの洋服を誉めた。
「ほんとに…?」
「嘘なんか言わねーよ!!背中のとかいいよなー!!!」
タクヤにはシルエットしか分からなかったのでリボンとは言えなかった。
「よかった…。お兄ちゃんに喜んでもらえて。」
(「なんか罪悪感に叩き潰されそうなんだけど…。」)
タクヤは何故か胸がキリキリ痛み出した。
「ま、また今度着てみてくれよな。」
「うん!!」
ウェンディの機嫌も完全に直ったようだ。そ
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