アカデミー編
落第
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てわかっている。
カトナがふるふると小さく揺れているのを見て、ネジは更に言葉を続ける。
「もしも、お前のライバルになれるとしたら俺しかいない」
そこで一旦言葉を切ると不安そうになる顔に気をつけながら、カトナに声をかける。
「駄目か、カトナ?」
「それ、私の許可、必要?」
震える声でそう言って、彼女はゆっくりと顔を上げた。
先程よりも声は落ち着いていて、感情も落ち着いている。体も自由に動く。
「…ネジ、馬鹿」
そう言いながらも、緩んだ頬を抑えれないままに、カトナは手を差し伸べた。
初めて言われた言葉。サスケには守ると言われた。ナルトには守るといった。いつだって、守り守られる味方の関係で、争いあうことはなかった。
それにカトナは、サスケのライバルになんてなる気はない。
カトナとサスケは共犯者なのだ。
二人で秘密を共有し合って、血肉を互いに喰らいあった。
互いに約定を交わして、約束をして。だからカトナは、サスケのライバルにはならない。
でもだからってほかにライバルを作るという発想はできなかった。
周囲には嫌われているから、そもそも親しい友人合いない。
一学年下の春野サクラと山中いのはライバルらしいけれど、それは女同士だからこそで。
こんな自分では、性別を偽って九尾の人柱力だと周囲を欺く自分には、ライバルなんて一生出来る筈ないと思っていた。
なのに、出来た。
「ライバル、よろしく」
ネジはああと頷いて、カトナの手を握った。
・・・
「イタチ、これでいいか」
静かな声に、イタチはゆっくりと振り返った。
赤砂のサソリ。
あまり、イタチと彼は仲がいいとは言えない。会話すらもほとんどしたことがない。
なにせ、サソリが組むパートナーといえば大半がイタチと相性が悪い人間なので。
それでも仲が良くない彼に対して、わざわざ頭を下げてまで依頼をしたのには、それなりの理由があった。
「ああ」
頷きながら、イタチは目の前にある義手を見つめる。
さすが、天才と言われただけはある。
一種の芸術品とさえ思えるような、整った義手。
「希望通りの採寸だ。…けど少年だからすぐに成長するんだろう。もう一回、採寸してくるくらいなら、今度、直接つれてこい。そちらのほうがきちんとできる」
「…それは出来ない相談だな」
イタチはそう言葉を返すと、新しくなった鉄の義手に仕掛けが施されてないかを確認する。
前回なんとなく検分したら、腕の中に毒針が仕込まれていて下手にいじったら装着者を死に至らしかねない設計になっていたのだ。ちなみに仕込んだ本人は完全に善意だった。
性質が悪い。
そう思いつつ、写輪眼を
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