第百八十話 同盟政府の醜悪
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大変大らかで規制等も殆ど存在しない状態で有るが故に太陽会の意図に全く気付くこともなく信者が爆発的に増えていくのである。
地球教に比べ、教義やお祈り等の堅苦しいことが全く無く、教義であるのは“決断は自身によってのみなされ、その責任や結果は自身に還る。ゆえに法や道徳等の慣習に盲従してはならない。何よりも精神の自由こそが尊い”と説き、信者達に“汝の為したい様に為すがよい”との神託を述べるに留まるからである。
しかし、無闇矢鱈に金を信者へばらまいていて、この宗教の資金源はどうなって居るのかと気になるゴシップ記者もいたが、彼等が調べた結果はあまりにも面白みのない結果で有った。教祖自身が同盟で有数の大企業に近年急成長した総合商社ファラリスのオーナー令嬢であり、幹部の多くも同盟では新興であるが近年頓に力を付けてきた企業の令嬢や令息だったからである。
彼等は数代前にフェザーンから移民してきた商人の子孫であり、彼等の肉親はフェザーン系同盟人としては珍しい“企業だけが儲かっても駄目だ、市民に還元する事こそ肝要だ”との発言で代々の当主が各地の孤児院などに多額に寄付をしてた事も知られており。それに感化された令嬢令息が太陽会を立ち上げたと取材陣に答えたのであるから、報道を聞いた同盟市民からも好意を持って迎えられたのである。それに因り更に多くの信者が集まり、地球教への入信者が激減して行くのであった。
その上、見舞金を没収された帰還兵や目が飛び出るほどの高額の納税を命じられた拉致被害者などが、こぞって太陽会へ入会する事に成り、後に焦った地球教が隠れ蓑である憂国騎士団による太陽会集会襲撃を激化させるのであるが、警察などの司法関係は憂国騎士団を庇いだてするだけで有った為に、一般市民からも政府に対する不満が続出し軍内部にも政府批判が蔓延ることと成る。
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