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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八十話 同盟政府の醜悪
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「正当と考えるが、各委員長は如何ですかな?」
この点も全ての委員長が異議を出さずにアッサリ決まった。

「今回の件は一時所得税だけで、1.2兆ディナールの57%の6840億ディナール(136兆8000億円)、兵からの没収金が2000億ディナール、総額8840億ディナール(176兆8000億円)にもなる」
「おお」
「それだけあれば、フェザーンから償還期限の切れた国債を買い戻すことも出来、国債の下落も留まりますな」

「今年度の未償還が5000億ディナール(100兆円)ですから、十分な原資となりますな」
「流石に、財務委員会も鬼ではないので、住民税、社会保険料、年金資金などの延滞による超過金徴収は行わない方が良い結論づけています」
「そうですな、納税は国民の義務ですからな、帰国した以上はそのルールを護って貰いませんと、他の国民に不公平感を感じさせますからな」

「兵からの没収金2000億だがそれは当然、軍に廻して貰えるんだろうね?」
「何を言うのかね国防委員長、資金は須く財務委員会に一旦臨時予算として入れてから決めるのが筋というものだろう」
「何を言うやら、財務委員会の元に入れたら最後、何だかんだと屁理屈を捏ねて予算処置を却下するだろうが、只でさえ今の軍は金が足りないのだからな」
「何を言うとはこっちのセリフだ、捕虜60万人の生活費が全てカットできるのだから、それだけでも十分な増額だと思うが」

「戦艦一隻が1億ディナール(100億円)だ、単純に計算すれば2000億有れば2000隻の戦艦が新造できるざっと正規艦隊一艦隊分の戦艦戦力だ。そう簡単には譲れんよ」
「全ては予算処置だ」
「そこを何とかするのが其方の手腕だろうが」

こうして思わぬ臨時予算に各委員会が血眼になって予算の配分を争う中、当の拉致被害者達は何も知らずに迎えの輸送艦に詰め込まれて一路ハイネセンへと向かっていくのである。まさか真の意味で自分達と仲間の血と汗と命の結晶である一時金を奪い取られるなど夢にも思わなかったのである。



宇宙暦794年

■自由惑星同盟領各地

この所数年、自由惑星同盟では弱者救済と地球奪還をスローガンにしている地球教という宗教団体が次第に力を付けつつあったが、その地球教以上に社会的経済的弱者、亡命者、捕虜交換で帰国した者などに浸透している新興宗教団体が有り頓に存在感を増してきていた。

その名は、太陽会と言い、教祖はアルナカーラと呼ばれる青みがかった黒髪の美人である。太陽会は“太陽こそ生命の源、その太陽の木漏れ日のような優しさで困ってる人を助ける”と称して、金をばら撒いては人を集めている。そして入信するだけでお金がもらえるという夢のような教団なのである。

同盟政府は自由自立自尊自治の精神から宗教に関しては
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