暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八十話 同盟政府の醜悪
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「情報交通委員長、そうは言っても士気の低下が起こる可能性は高い」
「それならば、兵に命ずればいいのではありませんか、降伏したら家族からも見捨てられる卑怯者だと」
「何を馬鹿なことを、兵に死ねと言うのか!」

「悪逆非道な簒奪者共に勝つ為には多少の犠牲はつきものですわ。その戦いで死ねば子々孫々名誉となり、逃げれば子々孫々迫害させる、そうなれば皆喜んで死んでくれますわよ」
「このキチガイが!」
「なんですって!!!!」

結局の所、各委員長の罵り合いに発展しそうな雰囲気になった為、アンダーソン議長が休憩を告げた。
「暫く休憩にしよう」
結局の所、その日はまともな話に成らず。議長宣言で“翌日までに資料等を集め各委員会で検討するように”と決定し閉会した。






翌27日、やっと落ち着いた中で、議会が再開されたが、その間に各官僚からの報告が上がりその報告に皆が眉をしかめた。それには1.4兆ディナールが市場に流れるという話だけで、株価の下落がはじまったという報告や、普段働かない財務官僚が緊急で製作してきた経済への影響などが書かれていたからである。

「既に株価が下落しているというのかね?」
呼ばれた財務官僚が答える。
「はい、国家予算の15分の1の資金が一気に流れ込めば、インフレに成るのではないかと危ぶむ投資家が早々と株を売却し、下落しにくいフェザーンマルクや貴金属に変える動きがここ数時間で目に見える範囲で始まっています」

その答えに、議会の皆も俺も早く株を売らなければと焦り始める。
「何とか成らないのかね?」
そう言われた財務官僚が次のレポートを示す。

「財務委員会で検討した結果ですが、帰還してくる拉致被害者は、拉致以来、所得税、住民税、社会保険料、年金資金などが未納状態です。財務委員会としては無一文ならば救済処置を執らなければならないと臨時予算に関して検討を続けて来ましたが、一人頭60万ディナール(1.2億円)もの大金を持ってくる以上は、それら資金を一時所得として課税を行い同時に住民税、社会保険料、年金資金等未納金の納付を行って貰いたいと考えております。そうしない場合、同盟市民間の不公平感が増す事に成ります」

「確かにそうだな」
アンダーソン議長の言葉に皆が頷く。

次に帰還兵の資金について国防委員会から報告が上がる。
「帰還兵へ帝国から渡された資金に関しては彼等は捕虜と成っていた期間も休職中として給料の半額が出ていた訳であり、国家公務員として奉仕している以上、それ以外のアルバイト等副業における副収入の禁止、公務員は利益供与の恩恵に与っては行けないという、同盟憲章第207条、109条に違反するとして、全額没収が正当だとの国防委員会では結論が出ましたが、議長はどうお考えでしょうか?」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ