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制裁のスタート

[8]前話

翌日

俺はずっと西原の言葉が離れなかった。

「偽善者」


そうなのかもしれない。いつだって俺はいい方へと向いてきた。
反発とか、そういうのが嫌だった。
いや・・・・・・・怖かったんだ。


「おいって!!!!」

ハッとした。一哉の声で俺は我に返った。

「晃どーした?調子でも悪いのか?」


「いや・・んなことねえよ。」



気にしないようにしよう。



そう思った。









教室に入ると、隣のクラスが騒がしいことに気付いた。

”竹内が死んだ”って
そう聞こえてきた。


竹内とは静かな子で、割と孤立していることが多かった。

学校は一時その話でおさまりが尽きなかった。
先生たちも、生徒もざわめくばかり
自殺なのか、原因は不明らしかった。



そしてどこからか聞こえてきた

”生きる意味を持たない者は制裁を受けるのです。”


・・・・・・・え?


俺がハッと振り向いてもそこには誰もいなかった。
神が?制裁をする?まさか。あの夢が?

そう頭をよぎったけれど、なわけないって思いこんだ。




放課後、帰ろうとすると一哉が

「おい、晃!」
と廊下を走って向かってきた。

「なんだよ」

「すげー情報手に入れた!!」
一哉は息を切らせながら言った。

「竹内のやつ、誰かに殺されたらしいぜ」

「え、殺された?」
そのときまたふっと聞こえてきた

”生きる意味を持たなければ、制裁を受けるのです。”



「・・・・制裁」
俺はその言葉が頭から離れなくなっていた。





これは神からの・・・





だがこれはまだ、ほんのスタートにしか過ぎなかった。

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