マクロスF
0690話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ちっ、随分と押し込まれているな」
宇宙へと出撃したVF-25Sトルネードパックのコックピットの中で周囲を見回しながら思わず舌打ちする。
出撃前に聞いた情報だと、戦場はフロンティア船団から見て大分前方だった筈だ。しかし、既にミサイルの爆発光や新統合軍の主力機でもあるVF-171が爆散する光景がこれでもかとばかりに周囲に広がっている。
そう、フロンティア船団のすぐ側に、だ。
「とにかく一旦押し返さないとどうにもならないな。スカルリーダー、聞こえているか?」
『何だ! こっちは今忙しいんだ!』
その声と共に通信越しに聞こえて来る戦闘音。
どうやら本当に忙しいらしいが……
「こっちにも指示をくれ。フロンティア船団に近付く敵を迎撃していけばいいのか?」
『ああ、そうしろ! ミシェルやルカもいるんだな!? お前が前衛、ミシェルがバックアップ、ルカはバジュラ共の情報を少しでも集めながらアクセルのフォローだ』
ま、それが無難と言えば無難か。
「了解した。ミハエル、ルカ、聞こえていたな?」
『聞こえてたけど、何でお前が指揮を執ってる形になっているんだ?』
「別にそのつもりは……ちっ、来たか! 2人とも、オズマの指示通りに動くぞ!」
『しょうがないな、分かったよ』
『はい、僕も了解です』
その返事を聞き、機体のスラスターを徐々に吹かして機体を加速させていく。確かにエンジンが合計6つもあるだけに、その加速度や機体の運動性能は高い。その分普通のパイロットには扱い辛いのかもしれないが、俺にとってはそうでもない。
……いや、6つのエンジンで無理矢理機動性を上げているという意味では扱いにくいと言えるのかもしれないが、それでもこれまでのVF-25Sよりはある程度マシになっている。
そんな風に考えていると、俺を敵だと見定めたのだろう。VF-171を撃破したバジュラ数匹、あるいは数機――取りあえず数匹と呼称――がこちらへと向かって突っ込んできた。
「まずはこれから!」
機体上部に装備されている2門のビーム砲で狙いを付け……今だ!
トリガーを引き、放たれた2条のビームはこちらに近づいて来ていた中の3匹がそのビームをまともに受けて消滅する。
『ナイスだアクセル!』
俺の一撃で編隊が乱れたバジュラに向け、その混乱した隙を逃さんとミハエルのVF-25Gが専用のスナイパーライフルで1匹のバジュラを撃ち抜いた。
その様子を横目で確認し、ファイター状態のままでガンポッドを連射しながらバジュラの群れの中へと突っ込んでいく。
『おい、馬鹿! ちょっと褒めたらすぐこれだ。敵に突っ込むなら、せめてバックアップに一言告げてからにしろ』
ぼやくようなミハエルの声が聞こえて来るが、それを流
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ