第十話:兄弟
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「匙、戦争の引き金にはならないようにな」
「は?」
何のことか分からないと言った風な顔をする匙
シトリー先輩は意味が分かったのか顔を赤くし
レヴィアタン様は再び魔法の杖に魔力を溜めだす
まずい!!匙の寿命が縮まるかも知れない!!!
でも、俺には何も出来ないから見なかったことにしてここを去らせてもらおう
「そういえば、お前グレモリー卿には挨拶したか?」
「いや、してないな」
「それなら、今体育館にリアス先輩と一緒にいるから挨拶してこいよ」
「そうか、悪いな、匙」
本当にすまない、これから生贄になるのに気を使ってもらって
流石にこのまま去るのは忍びなくなってきたので
最後にレヴィアタン様の気が逸れる事でも言っていこう
「レヴィアタン様、押しても駄目な時は引いてみるのも手ですよ」
「どういう意味?」
「今まで構ってくれてたのが急に構ってくれなくなると無性に恋しくなるんですよ、妹や弟って生き物は」
「っ!!?その手は思いつかなかったわ!!!??」
凄い食いつきだな、もう匙のこと頭の中から消えてるだろ
「ルドガー君は弟なのですか?」
俺の発言にシトリー先輩も反応してくる、妹として俺が弟であるとわかったのだろう
「シトリー先輩、もっと甘えてやれば良かったとか、もっと孝行してやれば良かったとか
後でどれだけ後悔しても――」
壊した世界は――
「失ったものは二度と元には戻らないんです」
「あなたの……っ!!」
「あなたは後悔しないでください……それでは」
「ルドガー……お前……」
ああ……今日はやけに感傷に浸ってしまうな、兄さんの絵を描いたからかな?
出来るだけあの瞬間は思い出したくない、兄さんをこの手で殺した瞬間――
でも、これは俺が背負って生きていかなければならないものだ
たくさんの犠牲の上に今の俺があるんだから、俺はそれを忘れずに生きなくちゃいけない
――例え、そのせいで幸せになれないとしても
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