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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話2話 ルイズの魔法修行
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はアンタじゃない」

 そう言いながら、メイド達は居なくなったの。でも私は、そんな事を気にする余裕は無かったわ。

「如何しよう。絶対に失敗できない」

 ちぃ姉さまが、兄さまとの時間を何よりも大切にしているのは知っている。……嫌という程。その時間を削ってまで、私の為に頑張ってくれていた。その事実が喜びと同時に、新たなプレッシャーとなって私にのしかかる。いや、それでも失敗するだけならまだいい。兄さまと姉さまは、きっと笑って許してくれるだろう。

 ……でも、もし手を抜いているとか、やる気がないと感じられたら? 

 思えば最近の私は、以前と比べてたるんでなかっただろうか?

 以前の私は、とにかく必死だった。父さまや母さま姉さま達に“見捨てられるかもしれない”と言う、強迫観念に縛られていたと思う。だからメイジらしくあろう……貴族らしくあろうと、私がやれる事はとにかくやっていたわ。

 この時の私は、かなり無理をしていたと思う。……今ならそう思えるだけの余裕があるけど、当時の私はそれに気付く事が出来なかったわ。気付く事が出来たのは、兄さまやドリュアス領の人達のお陰で、自分の価値を少なからず見出せたおかげだと思う。

 だけどそれは、努力を怠って良い理由にはならない。もし気の抜けた態度を少しでも取ったら、兄さまは大丈夫でも、ちぃ姉さまは絶対にキレるわ。

 ……冷や汗が出て来たけど、いつまでもここに立ち尽くしている訳には行かない。集合場所である本邸の中庭に移動しなきゃ。

 現場に到着すると、そこには既に全員集まってた。

 教師役のギルバート兄さま。そのサポートをするちぃ姉さま。そしてもう一人の生徒で、何年か前にドリュアス家の養子となったジョゼット。

「遅くなりました」

 私が謝ると、兄さまが気にするなと手でジェスチャーする。

「さて、全員そろったので訓練を始めます」

 手をパンパンとたたき、注目を集めながらの宣言したの。こうする事で兄さまは、自身の頭の中を切り替えるそうよ。そしてこの状態の兄さまには、余り逆らわない方が良いとアナスタシアに言われているわ。

「では、初日は午後一杯を使って、座学をします」

「へっ?(何で座学? 動きやすい格好に着替えたのに? それに座学なら、クックベリーパイをもう一つくらい……)」

 つい、そんな雑念を抱いてしまうのも仕方がないと思うの。でも兄さまは、そんな私に目を合わせニッコリと微笑むだけ。

 ……それなのに、なんでこんなに怖いの?

 私が態度を改める(正確には委縮して固まっている)と、兄さまが一度大きく頷いたの。

「ほら。ルイズ。何時までもボーっとしていないで、席に着いてください」

 兄さまのセリフが、凄く理不尽に感
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