暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話2話 ルイズの魔法修行
[17/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ーー!!」

 思わず声を上げ、両手を思いっきり挙げる。その勢いで杖が飛んで行ってしまったけど、気にしてなんかいられない。そう!! 気にしてなんか……



 ふと気付いたら、ベッドの上で寝ていたの。

「えっ? まさか、今の全部……夢!?」

 そんな事を口走るのも、仕方がないと思う。起き上がろうとたけど、節々と体の痛み(筋肉痛)で即ベッドに轟沈したの。

「……そんな。夢なんて酷いよ」

「何が酷いんですか?」

 声を聞いて、初めて気付いたの。ベッドのすぐ脇で、兄さまが椅子に腰かけて本を読んでいたわ。

「何が酷いんですか?」

 もう一度、兄さまが聞いて来る。お願いだから放っておいてほしい。

「仕方がないですね」

 そう言うと兄さまは、杖を私に向けて突き出したの。間違いなく私の杖ね。

「《念力》で、あそこにあるリンゴを引き寄せてみてください」

「えっ!?」

 兄さまが指差したテーブルには、バスケットに詰められた数種のフルーツがあったの。その中にリンゴは三つある。ひょっとしたら、夢じゃなかったのかも。そんな考えが頭をよぎる。

「ちゃんと最後の感覚は覚えていますか? 忘れていたら、訓練のやり直しですよ。ついでに食べ物を粗末にした事と部屋を汚した罰で、訓練のレベルが一段アップします」

 何かとんでもない事を言ってる。夢とか現実とか、そんな如何でも良い事は頭から吹き飛んだわ。私は必死に感覚を思い出し、《念力》を発動させる。リンゴはゆっくりと浮かび上がり、私の手の中に収まったの。……成功した。

「そう言う事です。夢じゃありませんよ」

 思わず泣き出してしまった私は悪くないと思うの。その後駆け付けてきた母さまとちぃ姉さまに、もみくちゃにされたわ。



 兄さまには、とてもとても感謝しているわ。でも……

「ルイズの系統は特殊過ぎて、今まで習った知識が逆に正しいイメージを阻害していたのですよ。だから追い詰めて、頭を空っぽにする必要があったのです。肉体的に程良く追い詰めるのは、加減が分からずに苦労しました。危うく殺しちゃうところでしたね♪ 精神的に追い詰めるのは、カトレアやジョゼット、カリーヌ様やメイド達にも手伝ってもらったのに無駄になる所でした」

 笑顔でこう言われた時は、心底兄さまが恐い……逃げたいと思ったわ。後半は冗談のハズなのに、震えが止まらなかったもの。……冗談よね? うん。冗談よ。冗談。

 でも、コモン・マジックだけとはいえ、魔法を使える様になった事と比べれば些細な事ね。(そう思わないと、恐くて兄さまの顔をまともに見る事も出来ない)

 それよりも別の問題が出て来たの。ちぃ姉さまを含むドリュアス家の人達が、私を訓練に誘う様になったの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ