暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
外伝・閑話
外伝・閑話2話 ルイズの魔法修行
[16/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
何を言っているの? って言うか、この生活って一ヶ月以上続くの?

「さぁ、しゃべってないで行きますよ」

 この瞬間から“マラソン無間地獄”にドップリ嵌まる事になったの。

 ……

 …………

 走る。走る。走る

 意味も解らないまま、ただただ走り続けるのは苦痛でしか無いわ。逃げ出したいと思うのは、至極当たり前だと思う。でも、それは出来ない。とにかく、ちぃ姉さまが恐いから。それに訓練を終えると、満面の笑みをたたえた母さまが出迎えてくれるの。

「ルイズ。本日の訓練はどうでしたか?」

 その期待に満ちた目は、何を意味するか言わずとも分かるわ。

「残念ながら、まだ成果は出て居ません」

「そう。ギルバートが、きっと何とかしてくれるわ。努力は怠らない様になさい」

「……はい」

 逃げるなんて選択肢は、始めから存在しなかったのを思い出したわ。それは、久しく忘れていた重圧。期待に応えなければ、捨てられるかもしれないと言う強迫観念。あり得ないと分かっていても、如何しても考えてしまう事……。

 ……一日。

 走る。走る。走る。そして、爆発。

(虚無じゃないけど、虚無の心算で)

 再び走る。走る。走る。走る。そして、また爆発。

 それが、……二日。

 繰り返す。(虚無じゃない。虚無の心算)

 ……四日。

 繰り返す。繰り返す。(虚無のつもり。きょむの心算)

 ……八日。(……キョム きょむ? キョ む)

 繰り返す。繰り返す。繰り返す。ただただ、繰り返す。

 そしていつもの通り、殆ど何も考えられない状態で杖を振る。今度は爆発さえ起こらない。

「ルイズ!!」

「はイ」

「合言葉以外にも、イメージは確りと持ちなさい。もう一度」

 兄さまに怒られる。だけど“どうせ失敗する”と思いつつ、小石が浮かび上がる姿を思い浮かべ杖を振ったの。

 今度も爆発は起こらなかったわ。代わりに小石が宙に浮いていたの。そう。私のイメージ通りに。

「えっ?」

 余りの事態に、状況を飲み込む事が出来なかったわ。

「良し。その感覚を忘れない内に、もう一度です。魔法を解除して」

「は はい!!」

 反射的に指示に従い、成功した魔法を解除する。始めて成功した魔法(《爆発》を除く)であると、考える余裕すらなかったわ。そして、もう一度《念力》を発動すると、今度もちゃんと発動する事が出来たの。

「ルイズ。念の為です。その感覚を忘れない様に、《念力》の発動と解除を繰り返しなさい」

「はい!!」

 これまでが嘘のよう爆発しないの。小石も私のイメージ通りに動くの。まるで夢を見ている様な気分だったわ。

「や やったーー
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ