昔時の水晶玉
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―の、だが。
「させない」
「おぐわっ!」
ぎゅるん、と。
地面から伸びてきた蔦がスバルの右脚を掴み、思いっきり引っ張った。
空中でバランスを崩したスバルの狙いは大きく外れ、クラッベの足元に着弾する。
「んぎゃ!」
「私もいるんだけど…忘れてたとか言わせないよ?」
「悪ィ、マジで忘れてた」
「……」
「どわあああっ!」
蔦が消え、スバルは地面に叩きつけられる。
うねうねと指先から伸ばした蔦を動かす“人馬宮”フレシュは、青い薔薇の花弁で構成された露出度の高い格好をしていた。
スバルの失礼すぎる発言に、フレシュはスバルの足元から巨大なバラを咲かせる。
「痛ぇなオイ……つか、オレ1人相手に女2人ってどうなんだよ?」
「おやおやぁ?オントス・オンとは思えない弱気発言だね〜」
「2人相手が無理だって言うなら、1人ずつ相手にしてやってもいいけど」
ケラケラと笑うクラッベと、淡々とした口調のフレシュ。
その言葉に、スバルはひくっと口角を引き攣らせた。
眉がピクッと上がり、はは、と乾いた笑い声が零れる。
「は、はは、はははは……」
からからに乾いた笑い声に、2人は顔を見合わせる。
その様子に気づかず、スバルは嬉しさも楽しさも感じられない笑い声を響かせていく。
「はは……はははははははっ!はーっはっはっはっはっはあっ!」
が、徐々にその笑い声の質が変わる。
随分と楽しそうな、心底楽しそうなモノに。
黒髪まじりの銀髪をかきあげ、天を見上げ、笑い―――――――。
「ったく…妖精戦闘狂のスヴァルも、随分下に見られるようになっちまったモンだ。笑うしかねーな、こりゃあ」
くくっ、と笑いを響かせて、何事もなかったかのように立ち上がった。
呆気にとられるクラッベとフレシュに、スバルはニヤリと口角を上げる。
「オレは妖精戦闘狂のスヴァル・ベルテインだ!強ぇ奴なら何人だって構わねえ!好戦苦戦大歓迎だ!かかってこいやコノヤロー!」
「威力増幅――――――金牛宮の拳!」
「おっと」
魔法籠手に威力増幅の魔法をかけ拳を振り下ろす焦げ茶色のボブの少女――――“金牛宮”キャトル。
ひらり、と後ろに跳ぶ事でその拳を避け、アランは右手にバチバチと音を立てる紫電を纏う。
「紫電轟雷!」
魔法格闘術を駆使し、アランが地を蹴って飛び出す。
右から、時には下から放たれる拳をキャトルは難なく避けると、小さい声で呟く。
「魔法籠手・砲撃形態」
右手の籠手が、砲撃に変形する。
淡い光が集まっていくの
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